8月28日

北川フラム投稿日:2012年08月28日

それにしても昨夜の「谷蟇」(E021)は凄かったなあ。放棄された谷幅20メートルほどにある棚田を舞台にした舞踏劇だが、音楽は1時間演奏し続けるし、踊り手たちは蝦蟇のように地に這い、泥田に埋まり、棚田を跳ぶ。地形の変容も極まり、インディアンの壁画もかくやと、棚田の壁面に写された映像は美しかった。まさに関係者全員が谷あいの棚田全体を言祝いでいたのだった。小さな坪野の集落ではあったが、おそらくこの出来事は妻有の今後に多くの可能性を拓いてくれているのだった。岩間賢や他の皆さんに三度乾杯。

そこから少し行った津南の外丸の神社の境内でやっているベニンのメシャック・ガバさんの『ミカドゲーム』(M040)。参道の小屋に地元の人がいて、冷えたキュウリやトマトを出してくれている時もあるが、誰か出れない時にも、水槽においしい野菜が出ているし、冷蔵庫に貼り紙がしてあって「いやだと思わない人は勝手に飲んでいって下さい」とある。住民のやさしい気持ちが伝わってくる。彼らはこの神社にある大杉を誇りにしていて、是非、お客さん達に見て欲しいのだ。解説に「ガウディのサクラダ・ファミリア大聖堂に似ていませんか」とある。境内ではミカドゲームの説明がテレビで回っている。(このテレビも木のフレームでカバーしてあって感じがいいのだが)そこに出てくる外丸の子ども達の表情がいい。ぜひお寄り下さい。二人以上でミカドゲームをするのもいいものですよ。これは海辺の旗ざし砂取りのゲームのようなものです。

津南も屋外の作品が多く、長野県は栄村と接する秋山郷という大豪雪地をかかえている。厳しさと、人のおおらかさが魅力です。今回は、今はもう使われなくなった建具を組み合わせた山本想太郎さんの『建具ノモリ』(M038)を町の中心に据え、かたくりの宿、作品が景観と同一化する本間純さんの『見えない村を目印にして』(M041)、海老塚耕一さんの『水と風の皮膚』(2003、M013)、Bubb&Gravityfree with KEEN『出逢い DEAI』(M042)がある405号線は、結東のあの石垣田を目指してなかなかのドライヴコースです。ちょっと凄いぞ。

因みに、東アジア芸術村センターのジンジャーエール(坂田阿希子さんプロデュース)は格別な飲み物です。(かたくりの宿の食事は定評がありますが宿泊しないと食べられません。) マウンテンパークへの道は東アジアの作家達の力作がずらり、呉達新、金九漢、管懐賓、劉佳婧、蔡国強、センスアートスタジオと目白押しです。西雅秋さんの池に浮かぶ環が見られないのは寂しいが、ゲオルギー・チャプカノフの『カモシカの家族』(M002)や本間純の『』(M003)や栗村江利の『再生』(M005)も健在です。駅からの道近くには瀧澤潔さんが今回も力作を展開している。足滝の前回「ワンダー×ワンダー」で人気になった霜鳥健二さんの『足滝に生きる「記憶―記録」足滝の人々』(M019)の人形は一か所に集まっていて、人々の足跡のインスタレーションと一緒になっている。駅を含めて妻有最西部の風情がジーンとくる地域です。