8月30日 十日町篇

北川フラム投稿日:2012年08月30日

会期も今日から三週末を含んで残り20日間を切った。運営の助っ人が厳しい。特にウィークデー。やれる人は是非、参集して下さい。

車の事故、疲労による無愛想に気をつけ、忙しいけれど、もっと多くの、特に年輩者、子ども達に来て貰いたい。

多くの人が、歩いて、感じて、開かれて、楽しいこの妻有廻りを楽しんでくれ、それらの声が嬉しい。アートを手懸りにして妻有の旅は、土と水の大地とともに生きてきた、私たちの遺伝子が震え、喜ぶ、藤沢周平風に言うならば、五感を廻る旅でもあるのです。

さて、いよいよ十日町。当間には行武治美さんの『再構築』(T155)が相変わらずの人気ですが、近くに(中里エリアに入るのですが)高橋治希さんと金沢美術工芸大学高橋+坂本研究室の前作と新作(N050, N064)があって、その細やかな仕事には驚嘆する。庭を囲む納屋には民具が展示してある。ここだけではなく、いろいろな作品のまわりに民具等を持ちよって展示してあるのも芸術祭の特色で、これに野菜の無人(町には有人)販売所も兼ねている。十日町は国道117号線を軸にして、信濃川に注ぐ支流や谷に上り降りするという手間がかかるのだが、それを厭わないとユニークな作品に出会えるのだ。伊達の交差点から大沢山トンネルに向けての334号線には長谷川仁さんがカボチャを面白い型に整形した『おもちゃの実』(T278)が結いの里にあり、鍬柄沢には長年集落とかかわってきた小川次郎/日本工業大学小川研究室の『モミガラパーク』(T076)『マッドメン』(T154)がある。今年の『はさベッド』(T279)に横になるとゆったりした気分になります。案山子もたくさんあって帰京の折に一服したら楽しいのです。

582号線には田麦の壊れかけた土蔵を使った豊福亮の『金色茶屋』(T274)と二ッ屋のアントニー・ゴームリーの『もうひとつの特異点』(T214)があるが、これはゴームリーの傑作ともいえるもので、今回、入口を変える等の改修が行われた。見事な空間は金箱温春さんの手になるものだ。『金色茶屋』では時折茶会が行われている。

キナーレから117号線をつっきっていけば、旧赤倉小学校に辿りつくが、そこでは校舎と校庭を使ってキプロスのクリストドロス・パナイトウの『もし明日がなかったら』(T271)という不思議な作品の展示がある。赤倉の学校がもつ記憶と彼の個人的な、或は国の記憶と重なって魅力あるものになっている。校庭に佇めば、地中海の気分を味わえるのだが、あまりにも個人的な感想すぎるかな。

中条からの252号線から新水の開発好明さんの点在する『かまぼこフェイス』(T139)のユニークな車庫を眺め、東北からの子ども達を毎週受け入れた林間学校の成果である『大竜宮城』(T265)がある。子ども達がつなぐ竜が少しずつ成長し、学校はとんでもないファクトリーになっているが、開発さんのパワーはここでも全開だ。

その先には、昨年も相当被害を受けた枯木又で、その小学校には、今村源さんの杉にからめたジャングルジム『キセイ・樹』(T266)とグランドに円形に水をはり周りに植樹した内田晴之さんの『大地の記憶』(T268)、小松敏宏さんの『Snow Room』(269)があるが、それぞれが、さすがと見えるしっかりした作品になっている。黒い水が張ってある教室も美しかった。

(今日はここまで)