おきな、おうなの「物語」

まつだい「農舞台」投稿日:2014年02月06日

こんにちは、こへび隊の山田です。2014年も早1ヶ月が過ぎました。越後妻有は冬まっただ中なのですが、今年は例年よりも随分雪の量が少ないように感じられます。それでも、 まつだい「農舞台」周辺では、今日も1メートル以上の積雪があります。

さて、今日は、昨年11月から まつだい「農舞台」で開催している 里山の限界芸術vol.5 おきなとおうな「越後妻有シルバーアート2013」展(以下、シルバーアート展)についてご紹介したいと思います。

シルバーアート展は、出品作家が全て65歳以上のおじいちゃんおばあちゃんという展覧会です。しかも、65歳以上であれば、誰でも出品することができ、かつ、作品のジャンルを問わないという、これまでにない画期的な展覧会です。

それでは、会場に入ってみたいと思います。

農舞台シルバアート

ご覧のとおり、様々なジャンルの作品が所狭しと展示されています。写真左には、ふしぎな形をした灯り、中央にはカフカと描かれた謎の暖簾、奥の方には絵画や掛け軸、わらぞうり等が見えます。これらの作品は、おじいちゃん、おばあちゃんがこれまでの人生で経験してきた様々な事柄が「描きたい!造りたい!」という「表現したい気持ち」を通して結晶化したものであると思います。そして、見る側も、おじいちゃん、おばあちゃんの表現したい気持ちに応えて、「この作品はどうやって作ったのかな?どうしてこの作品を作ろうと思ったのかな?」と考えながらじっくり見ていくと、それぞれの作品にまつわる「物語」を見つけることができると思います。おきなとおうなの物語が沢山詰まった、とても味わい深い展覧会です。

続いて、展示されている作品の一部を紹介したいと思います。

ギャラリーに入って右手の壁面中央には、無数の小さな絵と、手彫り独特の柔らかな丸みを帯びた木の彫刻が展示されています。

農舞台 シルバーアート2

農舞台 シルバーアート3

農舞台 シルバーアート4

この無数の絵と彫刻の作者は軸原一男さん。御年91歳の軸原さんは、元々木彫りの彫刻をつくっておられましたが、近年ベッド上での生活が多くなり、以降、突然たくさんの絵を描き始めたそうです。
軸原さんの絵の魅力の一つは、ビビッドな色使いです。蚊、コアラ、サル、犬と一体化した富士山等、主に動物を描いておられますが、中には、太陽や、自画像と思われる人物像、戦争をテーマにした絵等もあります。また、多くの絵には、端の方にK.Z.100と描かれていますが、これは軸原さんのイニシャルと、「100歳以上生きるぞ!」という心意気を意味しているそうです。

絵画や彫刻だけでなく、文学作品も出品されています。

農舞台 シルバーアート5

こちらは、松代在住の高橋八十八さんの作品です。八十八さんは、主に越後妻有の風土等を研究されている在野の研究者です。
テーブルに並べられているスクラップは、以前八十八さんが瞽女さんを研究していた頃に収集していた新聞記事です。そして、中央にある本が「昔あったと」という昔話集なのですが、この昔話集は、八十八さんが約半世紀前に、主にお母さんから聞いた地域の民話を後世に残すため、何と手書きで(!)記録したものです。

更に奥に進むと、こたつが置かれた部屋があります。一見、越後妻有の住居で見られる茶の間(居間)を再現しただけのように見えますが…

農舞台 シルバーアート6

農舞台 シルバーアート7

実は、こたつの上に置かれているレポート用紙に書かれた文章が、作品なのです!作者は、同じく松代在住の五十嵐鉄司(自称ソクラテツ)さん。ソクラテツさんは、レポート用紙1、2枚程度の長さの笑い話を作るのが大好きで、以前から、奥さんの目を盗み見ながら、ひそかに文章を綴っては、コンビニで大量にコピーし、知人友人に配るという活動をされています。ちなみに、綴った笑い話は既に100話を超え、ご本人はそろそろ本を出したいなと考えておられるそうです。
私のお薦めは、「バカシリーズ」という、古今東西のバカ(?)を集めた作品です。ここでは、そのほんの一部をご紹介したいと思います。

・携帯電話の受話器を自分でふさいでしまったのに、「聞こえない・壊れた・壊れた」と騒ぐバカ
・禿げたのに、額が広くなったと思っているバカ
・パソコンを2台かっても使えないで、メーカーの批判をするバカ
・パチンコでひと財産を築こうとしているバカ
・ズボンを前後ろにはいても気がつかないバカ
(以上、ソクラテツの「バカシリーズ」より)

更に奥には、秘密のスペースがあるのですが、そこに一体何があるのかは…ぜひ農舞台に足を運んで、自分の目で確かめてみてください!(ちなみに、秘密のスペースに展示されている作品には、あっと驚く秘密があります)

シルバーアート展は2014年3月30日(日)まで、まつだい「農舞台」のギャラリーで開催されています。ちなみに、出品作品はまだまだ大募集中!!次回の作品募集は2月18日(火)〜23日(日)までです。65歳以上であれば、誰でも出品することが出来ますので、ぜひ、多くの方々からご応募頂ければと思います(応募方法はコチラ

農舞台 シルバーアート8

今冬は、おじいちゃん、おばあちゃんの「物語」がキラリと光る、シルバーアート展に、ぜひ足を運んでみてください!

こへび隊 山田 亮文