雪の運動会~限界芸術バージョン

妻有日記投稿日:2014年03月28日

生を感じる木で組まれた入場門をくぐると、天高く大漁旗と野良着が掲げられている。綺麗に整地されたフィールドには雪をかためてつくられた土俵が鎮座し、四隅には5mもの高さの歳の神が立っている。ステージ上には、雪山がそびえ立ち、運動会全体を見下ろすように松明が掲げられている。

この異様とも言うべき光景は、圧倒的な強さを持ち、みた人の心を大きく揺さぶったはずである。

2012年の一回目の雪の運動会より雪上のフィールドを彩ってきた大漁旗に加えて掲げられた野良着旗は、江戸を愛すロックバンド 切腹ピストルズの象徴だ。入場門は現代花道家 上野雄二氏によるものである。そしてステージ上の雪山は日大芸術学部教授 鞍掛純一氏率いる日芸の生徒による力作だ。さらにフィールド上の土俵や高さのあるステージは地元の方の知恵なくしてはつくりあげることが出来ない。それだけで独特な魅力を持つ会場に、500人もの参加者が集い、豪雪地帯である越後妻有ならではの競技でめいめいに暴れまわる。この瞬間、この場にいる人ならではそれぞれの色がついてくる。

雪の運動会は、越後妻有で暮らすお父さん、お母さん、限界芸術に挑むアーティスト、越後妻有に心奪われ活動するこへび隊、そしてそこに参加するお客さん、全員が主役で、それぞれの持てる力を120%出し切ってつくりあげられた運動会である。どこを切り取ってもアートで、誰をみても芸術家だ。

最後の総評にて、北川フラム氏は馬鹿なことを出来る大人がこんなにいるとはと述べた。日頃、背負っているものを忘れ、大人やこどもの境界なく本気で遊ぶ、むきだしの人々をみて、胸がいっぱいになる。雪の運動会は、人を感動させるパワーに満ち溢れていた。

こへび隊 結城望

雪の運動会

雪の運動会

雪の運動会

雪の運動会

雪の運動会


写真:中村脩