初夏の越後妻有で野外作品と出会う旅(前編)

妻有日記投稿日:2014年05月23日

こんにちは。皆さまいかがお過ごしでしょうか。こへび隊の山田です。

越後妻有は寒く長い冬が終わり、雪もすっかり解け、川では雪どけ水の流れる音が聞こえます。初夏を迎え、晴れの日も増えて、作品巡りが楽しい季節となりました。

さて、今回はこれまでの大地の芸術祭で制作され、今も残る野外作品の一部を紹介したいと思います。なお、作品を巡るルートは、『「大地の芸術祭の里」ガイドマップ』をベースに紹介させて頂きました。まだお持ちでない方は、こちらから購入もできますので、ぜひ作品巡りの計画を立てるにあたり、このコラムと併せて参考にして頂ければと思います。

それでは、作品を紹介していきたいと思います。去る5月18日(日)、作品紹介のために実際に車で作品巡りをしてきました。この日の朝、越後妻有は曇り空だったのですが、時間の経過とともに雲が少しずつ流れて行き、やがて初夏の青空が美しい、絶好の作品巡り日和となりました。

まずは、越後妻有の北側に位置する、川西エリアにある「道の駅 瀬替えの郷せんだ」からスタートし、渋海川沿いの国道403号を南に向かいます。
おっ、早速作品が見えてきました。


作品名:20 minutes walk(川西エリア K029)

松代エリアと川西エリアを流れる渋海川の流域で見られる『瀬替え』をテーマにした作品です。瀬替えとは、蛇行する河を掘削して直線にショートカットする工事を指します。越後妻有の渋海川流域では、平地が少なく、旧河道を利用した水田が多く見られることから、治水対策のみならず食料確保のために瀬替えが行われていたことが伺えます。
また、渋海川流域では両岸が急な崖であるところも多いため、崖に素掘りのトンネルを掘り、新たな河道としたものも見られます。これをマブ(間府)と呼びます。渋海川流域では、瀬替えやマブによる耕地の開拓が、江戸時代から昭和初期まで行われていたそうです。土木機械の無い時代、人力で新たな河道を掘削して耕地を開拓していった先人達の苦労を見ることができます。
なお、既に公開は終了しましたが、2012年の大地の芸術祭では、越後妻有と房総半島(千葉県)のマブを撮影した作品「太古の光」が制作されています。ちなみに、房総半島では、養老川流域で瀬替え(川廻し)により造られた水田を見ることができます。

ちょうどこの日は、作品の側にある、瀬替えにより開拓された水田で田植えが行われていました。


引き続き、渋海川沿いの国道403号を南へ向かいます。どんどん南へ向かい、やがて、国道403号と国道253号と交わるところで、次の作品が見えてきます。


作品名:イナゴハビタンボ(松代エリア D129)

巨大な陶製のイナゴの作品です。イナゴは稲を食べてしまう害虫ですが、このイナゴは田んぼの真中に堂々と鎮座しており、しかも背中がすべり台というユニークな作品です。

続いて、イナゴハビタンボのすぐ近くにある坂道を上り、犬伏集落へ向かいます。


作品名:翼/飛行演習装置(松代エリア D101)

この作品は、松代エリア(旧松代町)の犬伏集落にあります。作品が設置されていた場所は、かつて集落の火葬場でした。作品の中央には椅子があり、座って空想を楽しむこともできます。

続いて、国道253号をどんどん西に向かいます。次の作品は高さ20mもの看板なので、まず見逃すことはないと思います。


作品名:ステップ イン プラン(松之山エリア Y026)

この高さ20mもある巨大な作品は、2003年の大地の芸術祭の時に造られ、今ではすっかり松之山エリアの顔となりました。よく見ると松之山エリアの地図になっています。

続いて、ステップ イン プランのある池尻の交差点から、国道353号を南下します。その後、松之山交差点を東に向かい、更に国道353号を南東へ向かうと、津南エリアに入ります。 津南エリアを信濃川沿いに南西へ向かうと、上郷橋のたもとに、次の作品が見えてきます。


作品名:足滝に生きる「記憶-記録」足滝の人々(津南エリア M019)

足滝集落の人々をかたどった、等身大のパネルの作品です。2006年の大地の芸術祭の時に制作され、その後、場所を変えながら展示されています。この日は、信濃川のほとりに、寄り添いながら静かに立っていました。

雲が少しずつ流れ、青空が見え始めています。続いて、上郷橋の北にある穴山集落へ向かいます。次の作品は、穴山集落の小さな公園内にあります。


作品名:国境を越えて(津南エリア M028)

台湾のアーティスト、林舜龍さんの作品「国境を越えて」です。色鮮やかな彫刻で飾られた門と、大きな等身大の牛の彫刻が、公園内に不思議な空気を醸し出しています。ちなみに林さんは、昨年開催された瀬戸内国際芸術祭でも、ヤシの実をモチーフにした同名の作品「国境を越えて・海」を製作しています。

「初夏の越後妻有で野外作品と出会う旅(後編)」へつづく