厳しい場所こそ次代の希望

北川フラム投稿日:2014年07月24日

爺さま婆さまの笑顔を見ようと始まった芸術祭ですが、課題は続出、宿題は未解決。そのうち20年前の初心も忘れ、仲間うちのズレ、考え方の違い、組織上での欠陥に神経質になっていることに気づきます。さあ大変。

中学生の「公民」の教科書(教育出版『中学社会 公民 ともに生きる』)に「大地の芸術祭」がとりあげられています。「芸術や宗教のもつ力」の項では、~暮らしのなかの芸術と宗教~とあって、「芸術によって変わる地域」の文章を写します。

―――
さまざまな音や色・形の組み合わせによって、わたしたち人間は、やすらぎや感動を与えられることがあります。こうした思いを与えるような作品を、人間は自分からつくり出すことができます。それが、音楽や絵画、彫刻などの芸術です。芸術は、わたしたちが人間らしく生きていくうえで、とても大切な役割を果たしています。
 近年、地域に残る自然を利用し、地域全体を芸術作品の展示スペースとする芸術祭が、各地で行われるようになってきました。こうした試みは「里山アート」ともよばれ、芸術家が地域に入り、その土地に根ざした表現を地域の人たちと共同で制作することもあります。芸術を通じて、多くの人がかかわり合っていくなかで、その地域とそこでの生活に誇りをもつことの大切さがあらためて見直され、人や地域が変わっていく機会が増えています。芸術祭のもつ力によって、地域の魅力が再発見され、人と人、人とその土地がつながっていくこともあるのです。
――――

例として、「大地の芸術祭」が例示され、「絵本と木の実の美術館」とイリヤ&エミリア・カバコフの「棚田」が紹介されています。



――――
新潟県の越後妻有地域(十日町市・津南町)は、世界でも有数の豪雪地帯で、人口の減少が進む一方、高齢者の割合もしだいに増えてきました。そこで、地域の活性化を図ろうと、アートによるまちづくりとして「大地の芸術祭」を3年に1度開催しています。芸術祭には、国内外の芸術家のほか、地域の多くの人たちや企業も加わっています。約1ヶ月半の期間中は、里山の自然や田畑、空き家や廃校など、地域全体がアート空間として展示されています。
――――

芸術祭の目的と美術の働きが明快に記されていてうれしい。「里山アート」ですって。地元、こへび、行政、応援してくれた人たちに三度乾杯して、地域巡りです。第6回の芸術祭は仕組みを大幅に変更し、巡りやすくします。この間、下条・東下組地区、清津峡地区、上郷地区、奴奈川地区を回り、廃校の再生の準備をしています。厳しい場所こそ次代の希望です。

北川フラム(大地の芸術祭 総合ディレクター)


旧奴奈川小学校へ。とても立派な学校です。