10月25日 松代里山探訪クラブ―「モリアオガエルクラブ」

北川フラム投稿日:2015年10月31日

秋晴れの妻有。
久しぶりに松代農舞台から拡がる里山の散策「モリアオガエル倶楽部」に参加しました。



この春、初めて松山金一師に従(つ)いて里山巡りをした時には、雪の合間からうす緑色の芽を出していた植物たちが花をつけ、半分ほどは実になっているのです。今はもう秋、陽のもとでの半年あまりの活動から、出来うる限りコンパクトになって雪の下、地表、地下生活者の世界に入る植物たち、そして小動物たち。遠景は♪秋の夕日に照る山モミジ♪、ヤマウルシ、イタヤカエデ、イチョウなのに、踏みしめて歩く里山は枯れ傷んだ茎や葉からなる藪のなか、あれほどに道に被さっていた緑の氾濫が遠くが透けて見れるほどの量(かさ)になってしまっています。しかしその中は実に多様で豊か、まさに実りの秋だということが実感されるのでした。そのいくつかを。


イヌタデ(=アカマンマ)

ところどころにイヌタデが群生しています。アカマンマです。ここでは中野重治の詩を挙げておきます。


おまえは歌うな
お前は赤まんまの花やとんぼのの羽根を歌うな
風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな
すべてひよわそうなもの
すべてのうそうそとしたもの
すべての物憂げなものを撥き去れ
すべての風情を擯斥(ひんせき)せよ
もっぱら正直なところを
腹の足しになるところを
胸元に突き上げてくるぎりぎりのところを歌え
たたかれることによって弾ねかえる歌を
恥辱の底から勇気をくみ来る歌を
それらの歌々を
咽喉をふくらまして厳しい韻律に歌い上げよ
それらの歌々を
行く行く人々の胸郭にたたきこめ

(歌  中野重治)


まさに路傍の花 ♪恋はやさしい 野辺の花よ♪ の代表選手です。
「小さい牛追い」のイラクサ、東大音感の「イヌフグリ」もそうですね。そこで今日のテーマ。紙面の都合もあるので松山師匠に教わってノートに記した70種ぐらいのなかから面白い名前のものを少し挙げておきましょう。


左;ヒメムカシヨモギ、右:ベニバナボロギク


ポンツクタデ…新潟では抜けている人のことをポンツクと言います。ベニバナボロギク…蕾の先が頬紅のようにポッと赤いかわいい花なのに、ボロ菊とは。風にそよそよ揺れるイネ科のカゼクサ、ウシハコベは普通のハコベより大型なのでウシがつき、ヒメムカシヨモギは姫と昔がつきながら、北米原産の帰化植物。果実はフワフワと飛んでいき荒地に広がる雑草です。ウシ、イヌ、ヒメなどが頭につくのはまあいい方で、アレチウリ、そしてヘクソカズラにいたっては、見た目は可憐なのに、臭いのために気の毒な名前がつけられてしまいました。


左;アレチウリ、右:セイタカアワダチソウ


セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサ、ヒメジョオン、ハルジオンなど北米からの要注意外来種の多さには驚きました。そんな中、スミレは秋の寒さで蕾の中で自家受粉し、実を結んでいましたが、季節を間違えて咲いていた紫の花もありました。



第6回の大地の芸術祭が終わってはや50日。
私は何度か妻有に帰ってきましたが、殆どは他所を回っていました。これから妻有は将来の自立計画に入ります。

実体的な実感あるコミュニティが、アートを媒介とした新しいコミュニティをとりこんでいけるか、まさに正念場です。来圏した方々、協働して下さった方々、ありがとうございました。
里の植物のように強くありたいと思います。


10月25日 北川フラム