Vol.6「方丈記私記展 途中報告」

北川フラム投稿日:2018年08月30日

 会期も半ばを越えたので、いよいよ方丈記私記についての途中報告をします。

 キナーレに入って右手側から、
T379:YORIKOさんの越後妻有コラボ甘味屋台。市内6か所のお菓子屋さん(朝日屋菓子店、ガトータカダヤ、お菓子処木村屋、きさらぎ菓子店、フランス菓子・喫茶ルミエール、ケーキハウスアプリコット)とのコラボで、お菓子、ジャムなどを提供するプロジェクト。みんないただいてみたけれど、とても美味しい。アーティストがほぼ全日出ているのでほぼ完売。
T361:菊池悠子のつくも神の家は、燕三条の相田合同工場の鍬を展示していたが、大雨によって自壊したが、今は再構築している。土嚢によってつくも神(道具に宿る神)を祀る空間です。
T369:オニバスコーヒーは名ブランドで、安定した人気。藤村龍至さんグループによる、ダンボールを構造材としたデザインはやわらかで感じが良い。冷たい都市空間では貴重だ。


T379「越後妻有 コラボ甘味屋台」
YORIKO

T369「A SHELTER OF THE DIGITAL」
東京藝術大学美術学部建築科藤村龍至研究室

 T377:その隣は矢野建築設計事務所による作品。雪男のフローズンアイスは店主の呼び込みの声が金魚売りや青竹売りの夏の風物のようになってきて、好調。本来は異なった使い方の店も入る予定だったのだけど、そこには会期後半になってザおこめショーに米を出している集落が日替わりで出展することになった。
T378:uugによるローカルメディアをつくるという発想で期待していたのに一向にスタッフがスペースで仕事をしないのでガッカリしていたけれど、この間いろいろな集落を廻っていたらしく、成果が発表展示され出しました。かなり丁寧な調査です。やれやれ。地域の調査が広がって具体的になっていくといいなぁ。
T356:次はタイのall(zone)の提案で、軽い、気持ちの良さそうな素材仕立てが人気を呼んでいます。特にこの暑さのなか、子どもたちには喜ばれています。


T377「方丈の屋根」
矢野泰司+矢野雄司 / 矢野建築設計事務所

T378「Publish-Fabric ~地球に編まれる立体 MAGAZINE~」
uug

T356「ライトハウス 4.0 越後妻有で軽やかに暮らす」
all (zone)

 T372:藤木隆明さんの呼吸する空間はすっきりしたもので、ここで振る舞われる美味しい水菓子とお茶を一服し水面を見やれば、この視覚が原さんの建築を見るのに丁度いい角度だという発見があった。
T364:小山真徳さんの小屋は鳥獣害対策相談室です。中に将棋盤があって鳥獣対人間の知恵比べだ。彼はいろいろな農家に行って活動しているらしい。期待大です。
T357:そこから回廊から室内に入り、岡藤石の美容院がある。ここはboy Tokyo、anjeria(anjeriaは- A'に変更になりました)、美容室しるえっとの美容師さんらが週末をメインに通いで参加してくれて人気がある。


T372「多孔体:2畳c4.5畳」
藤木隆明+工学院大学藤木研究室+
佐藤由紀子

T364 「狗鷲庵」小山真徳

T357 「羊の美容室」岡藤石

 T376:ドイツの光を使うアーティスト、ミシャ・クバルはシンプルな12本の構造の骨組みのなかに、これもシンプルな色面が投射されるだけの簡単なものだが、方丈のコンセプトは明快だ。
T354:伊東豊雄建築研究所は古材研究所で地元の古材をユーザーに渡していく仕組みのなかで、地域の復興計画を立てている。「十日町ひと夏の設計事務所」と銘打っただけあって、杉山由香さんが毎日図面を引いている。
T370,363:ドットアーキテクツの提案は、雪が降りそうなら手動で屋根をあげるというもの。意外にリアリティがあるかもしれない。屋根の内部には栗真由美さんの美しい光る家の模型がたくさん吊られている。
T380:台湾出身の俳優、王耀慶さんの提案は俳優のスタジオだが、ご自身が好きなスターや勉強になった本など俳優修業の小道具が置かれてあって、シンプルな日常の方丈となっていて楽しい。
T353:奥まった角にはアソビューの和室があって、インタラクティブな子どもたちの遊び場になっている。


T376「hōjō_10x10 feet_shift」
ミシャ・クバル

T354 十日町 ひと夏の設計事務所
伊東豊雄建築設計事務所

T370「伸び家」
ドットアーキテクツ

T363「builds crowd ~街の記憶~」
栗真由美

T380「パフォーマンスの秘密 KNOW YOURSELF」
ワン・ヤオチン(王耀慶)

T353「ASOBIBOX」
asoview!× OKAHON

 T355:井上唯さんの作品は、完成まで何か月もの丁寧な作業に頭が下がる思いだった。出来栄えも素晴らしく、幼稚園、保育所からの問い合わせが多い。
T367:大舎建築設計事務所+イン・イーの作品は、土地の音が感応するという仕掛けです。
T371:フランソワ・ロッシュ(New-Territories / architects)の提案は、声を吹き込むと、反対の言葉・言語が転換されて出てくるというもので、方丈ではないが、考え方は理解できるものだ。
T362:北川一成さんのグループは昔風カラオケバーだ。夕方やっているだけだが、地元のママさんが入り、人気。電車で通ってくる常連もいます。夜はここの賑わいが館内に聞こえてくる。
T366:中国のシャン・ヤン(向阳)は、家の部分、建具、小道具などを小田原細工のように組み合わせた意欲作。
T358:小川次郎さんは深く関わっている鍬柄沢集落の蕎麦文化を発信しようと、名ヶ山の名店清兵衛さんの協力を得て土日限定でそば屋を開店している。すぐに売り切れる。


t355「asobiba / mimamoriba」
井上唯

T367「音の迷宮 ネガティブ・サウンド・ライブラリー」
大舍建築設計事務所+イン・イー(殷漪)

T371「“mind [e] scape” at The Hojoki Shiki in 2018」
New-Territories / architects

T362「Karaoke & Humankind」
GRAPH + 空間構想

T366「TRANSFIGURATION HOUSE」
シャン・ヤン(向阳)

T358「そば処 割過亭」
小川次郎 / アトリエ・シムサ

 T374:フランスの建築家のドミニク・ペローはこれもまたシンプルな構造に御簾を垂らして、中に折り機を入れているだけだ。本来はここで私がお茶を出すか、人生相談か、探偵をしているはずで、「探偵は方丈にいる」というものを会期後半にやるかも。
T368:Eri Tsugawa+Motoya Iizawa の提案も単純な、線材でできた不思議な空間だ。ここに台湾のテキスタイル小物の名店、印花楽(インファーロー)がショールームにしているが、実際は街中のOMAKEで販売している。
T360:KIGIがやっている地元のお酒宣伝のためのサイコロ・バーは面白い。彼らのこだわりの木製盃には大きさが色々あり、お客さんは2つのサイコロを振ると、その目によって盃が与えられ、たくさん飲める人も、なめるだけの人もいるという仕組みで、時々歓声があがっている


T374「DRAPE HOUSE」
ドミニク・ペロー アーキテクチャー

T368「SHIFTING STRINGS」
Eri Tsugawa + Motoya Iizawa

T360「スタンディング酒BAR 酔独楽・よいごま」
KIGI

 T365:中国のシープラスアーキテクツの「時空の穴」。入り口が狭い、方丈を壁として考えいる作品はカリスマかき氷師の原田麻子さんの監修で、ブルーベリーなどがのったおいしいかき氷を提供してくれている。
T359:コーナーにあるのはフィンランドの建築家、マルコ・カサグランデの文字通りのサウナで時々人が利用しているのは愛嬌だ。タオル持参でどうぞ。
T375:前田建設工業の「試機」は地域の自然や街を方丈のなかに埋め込み、書斎と寝室もある。まさに居室。
T373:スー・ペドレーと岩城和哉がかかわる川西の水に関する体験を方丈のなかに乱反射させている。


T365「Space-time Cave(時空の穴)」
C+ Architects

T359「Echigo-Tsumari Public Sauna」
カサグランデ・ラボラトリー

T375「方丈記「試機」」
前田建設工業株式会社建築事業本部建築設計統括部

T373「みずたどり」
スー・ペドレー+岩城和哉+東京電機大学岩城研究室

 現実的には無理で作品はプレゼンテーションされなかったものに、フランスのペリフェリックの提案がある。これは2.7立方メートルの氷の塊をつくるという単純なものだが、実であり空である、というまさに見事なものだったが、お金がかかりすぎて見送りになった。

この方丈は、①中世のような現代をどう生きるか、②近代の均質空間をどう豊かにするか、③中心市街地への提案を意図したものだった。多くの人たちが楽しんでおられ、それは良いのだが、課題はまだまだ続いていると思います。

北川フラム  8月30日

Photo/Osamu Nakamura