方丈村便り4

越後妻有里山現代美術館[キナーレ]投稿日:2018年09月01日

ようこそ!深く、広く、楽しい四畳半の世界へ
T364 狗鷲庵(いぬわしあん) 小山真徳
T375 方丈記「試機」 前田建設工業株式会社建築事業本部建築設計統括部

いよいよ後半戦!
8月が過ぎ9月に入ると、口コミで賑わいが増す時期となります。
本展は、飲食店が多くあり「営業」している方丈作品が元気です。
一方で、作家の世界観がずっしりと表現されている作品もあり、ひとつひとつ作品のコンセプトを想像しながら 鑑賞するものオツなものです。

 

キナーレ回廊に入り、右手に目立つ作品が小山さんの「狗鷲庵(いぬわしあん)」(T364)
鳥獣被害相談のための小屋です。
ユーモラスな外観に目を奪はれますが、杉皮で表現した羽、トマトがハウス栽培されている尾羽、屋根が翼になり、アイデアとディテールと作家の根気が嬉しい作品です。
中に入ってみると将棋盤がありました。
いや、将棋ではなく、「農棋」。

将棋に似たビジュアルのこのゲームは、山と里山のチームに分かれて、罠や穀を与えながら戦う新しいゲームのようです。説明書を片手に駒を並べなおすだけでも一苦労。
耕馬、狐や狸など、畑と山にまつわる動物や家畜、人の名前がある駒ひとつひとつを並べると、それだけでも、かつて田を耕した馬の姿や作物に悪戯したであろう狸の姿が目に浮かび、昔話を読んでいるようです。

現在、作家の小山さんは、里山の集落にはいり、鳥獣被害対策のワークショップを開催中です。
どんな対策が練られているのか、楽しみですね。

カラフルな越後妻有の街並みを方丈に閉じ込めた前田建設工業株式会社の方丈記「試機」(T375)
屋内のような屋外のような不思議な空間が出現しました。

家型フレームの中には、街並みを構成する電柱・ポスト・電車が、室内にあるデスクとベッドを中心に配置されています。ベッドをのぞき込んだら「方丈記」がありました。
これらをよく見ると、水色やピンクや黄色に塗られた向こうにチラシやパッケージの重なりがみえます。
越後妻有だけでない世界中の情報が積層されているようです。

机の上の模様をよくご覧ください。
たくさんのQRコードがランダムに並んでいます。
読み取ったら、何が現れるでしょう??

小さな四畳半空間を通してみえる唯一無二の世界。
賑やかな会場のなかで、作品の世界を静かに深く覗き込むと、みえてくることもあるようです。

スタッフ 三輪良恵

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