方丈読書会 活動報告(4)

越後妻有里山現代美術館[キナーレ]投稿日:2018年12月27日

方丈読書会 活動報告
第3回 2018年11月29日(金)19時~
場所:アスト/asto
課題図書:『民俗学の旅』宮本常一著(講談社学術文庫)
参加者:8名

11月の末、すっかり冷え込みが厳しくなった十日町です。
本心を言えば、コーヒー片手に、温かい色の光の中で進めたい会なのですが、私の知る限り、十日町市中心市街地には、読書会の開催時間(19時~21時位まで)に営業をしている喫茶店やカフェが見当たりません。今回の読書会は、市民交流センター「分じろう」から、十日町高校正門近くのシェアオフィス「アスト/asto」に会場を変更して開催しました。当面は、こちらをお借りすることになりそうです。
橙色の灯りがあって、皆で囲める大きなテーブルがあって、冬は暖かく…十日町にそんなカフェがあったらいいなと思います。豪雪の地ですので、近くに駐車場も必要そうですね。
どなたか心当たりがありましたら、教えてください。

前回の読書会で、名もなき日本人の生きざまを現代の私たちに示した「忘れられた日本人」を書いた人物は、どのような人だったのだろうか、どのような背景で調査を開始し、あの本を書くに至ったのだろうかと興味をもち、選んだ今回の課題図書「民族学の旅」は、著者の宮本常一が自身の半生を綴ったエッセイでした。
文中には、宮本常一が影響を受けた父、母、祖父、ふるさと、師・友人らのたくさんの言葉が詰まっています。そして、やはり、その言葉の背景には、「忘れられた日本人」を彷彿させる民俗学的エピソードもあり、自らを語り、自らを調査し、自ら綴ったエッセイから、調査記録へと展開したような本ともとれます。

恥ずかしながら私は、移動の合間に風邪を引いてマスクで顔半分が隠れているのを幸いに、冒頭の前書きから5章まで周囲を気にせず涙を流して読んでしまいました。 私にも同じような遠く微かな記憶があります。
戦後、実母と暮らせなくなった幼い祖母を育てた高祖父母の話、高祖父が幼い祖母に語った言葉、そして、現在、年老いた祖母の姿とその話を聞かせてくれた母を思い浮かべながら。
宮本が行ったであろう、このような庶民の暮らしや文化の口頭伝承は、ささやかな「家族の昔ばなし」として、現在にもまだかろうじて存在しているようです。

報告者 三輪良恵

【第五回読書会のごあんない】
◯日時……2019年1月23日(水) 19時より(開場15分前)
◯課題図書…『日本の歴史をよみなおす(全)』網野善彦著(ちくま学芸文庫)
〇会場……アスト/asto
(十日町市袋町西91-1 十日町高等学校正門前近く)

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