東浩紀×北川フラムによる「観光」をテーマにした対談が行われました

2018芸術祭イベントリポート投稿日:2017年11月28日

渋谷ヒカリエで開催中のリレートーク・第7回は、『ゲンロン0観光客の哲学』が話題の哲学者・東浩紀さんをゲストに迎え、「観光」をテーマに北川フラムと語り合いました。

最初に北川が、越後妻有での地域活性化の取り組みが外部から他者が訪れる「観光」につながり、それによって地域の人々が元気になる「感幸」となっていった過程をプレゼンテーション。世界で10億人の観光客が移動し、日本でも海外観光客が2000万人を超えた今、観光は時代の底流であり、国連も「開発のための持続可能な観光」を謳っています。越後妻有もまたその流れのただ中にあります。


それを受けて、東さんは、『観光客の哲学』の執筆の動機から語り始めました。共同体の「内」と「外」を分ける動きが加速化するなか、そのどちらにも属さない「いい加減な観光客」は二極化の構造をゆるがす存在であり、それゆえに可能性がある、しかしこれまで観光の「実学」はあっても、「哲学」はなかったというのです。そして、敵と味方をつくり、社会を単純に切り分ける現代にあって、中途半端、曖昧さこそがラジカルであり、こうした曖昧な場所を維持することが最も重要ある。アートという曖昧な存在によって、住民、サポーター、アーティスト、多様な人々が交錯する越後妻有は、まさに「曖昧な場所」であるがゆえにラジカルであると東さんは指摘します。海外からのサポーターや観光客との交流のなかで、日本の辺境が勝手にグローバル化してしまっている面白さが越後妻有にはあるというのです。

東さんと北川はこれまでもたびたび対話を重ねてきましたが、「行政と一緒にやることで反対者が登場してくる。それが可能性を拡げる」(北川)、「他者を説得することはできない。やり続けることでしか信用は得られない」(東)といった実践論から、「表現の自由」の危うさやSNSなどのメディアの問題、哲学者やディレクターの役割に至るまで、今回も実に多様で刺激的な議論が展開されました。

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