米澤文雄、EAT & ART TARO、北川フラムの「拡がる越後妻有の食」対談レポート

2018芸術祭イベントリポート投稿日:2017年12月9日

11月20日は、「Jean-Georges Tokyo」シェフ・ド・キュイジーヌの米澤文雄さんと、食のアーティスト、EAT & ART TAROさんにご登壇いただき、北川と2018年の芸術祭での食の展開をお話しいただきました。

ここ数年「食」に注力してきた大地の芸術祭。北川は「土地やそこに生きる人と密接した美術を2000年からやってきた中で、自然と、“食”が極めて大切な要素になってきた」と話します。アートは人間が自然や文明と関わる術であり、同義の意味で「食」の重要性を感じ始め、2018年は、米澤さんに妻有のベースとなる食事(1万2千食!)を、TAROさんには上郷クローブ座レストランをはじめ、いくつかの食プロジェクトを依頼。

浅草出身で妻有が初の田舎体験という米澤さんは、地元のお母さんたちが持ってくるまかないの多さに笑いながらも、妻有では食の原点回帰ができると言います。「日本食は無形文化遺産となったが、それはいわゆる寿司とかそういうもの。妻有のお母さんが作るものこそ、実は本当の和食ではないかと思う。この技術や味付けは日本が世界に誇れる食文化なのに、このままだと高齢化で確実になくなってしまう」と。2018年は、地元が食べる夏の食材や味付けに、米澤さんのスパイスが加わり、妻有の味の根源となります。「それを食べることで何がその味になっているかを伝えたい。和食の素晴らしさ、その根源を、夏の妻有の食を表現できるものにしたい。」と意気込みを語りました。

続いて、TAROさんも妻有での経験を振り返ります。お母さんたちが持ってくるものが「なんだこれ?」ってくらい美味しい。夏はキュウリ攻めにあうが、それがまた美味しい。作り方は特別でないのに、なぜか美味しい。これがこの土地の特徴な気がすると。そして2015年「キュウリショー」が開催されます。そしてもう一つは演劇仕立ての「上郷クローブ座レストラン」。お母さんが無理なく楽しめるようにと料理はシンプルですが、演劇の合間にお客さんと話すようにお願いしたそう。彼女たちがしゃべればしゃべるほど美味しくなるから。「最初は恥ずかしがっていたのに、最後は時間をオーバーするぐらいしゃべる。段々女優っぽくなってくる。『母ちゃんたちのお化粧が濃くなった』と区長が困った顔で言ってきた(笑)」と北川も挟みます。2018年、TAROさんが考えるプロジェクトなシンプルなものだそう。植物の種類が多く、色感が豊かな妻有や水について伝えられたらと構想を話してくれました。

来年は妻有の骨格がわかるようなツアーが2コース作られます。1食は米澤さんの食を、もう1食は上郷クローブ座レストランやうぶすなの家、キナーレでの食事となります。妻有では、自分が店をやるというより、お母さんたちの食を学びたい・知りたいという気持ち、長い間培ってきた知恵に興味をもっているような人が、長く付き合えると北川は言います。まさにピッタリの二人が作る新しい食への期待が高まる中、対談は終了を迎えました。

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