2009年7月アーカイブ

「クモ 一本の糸からはじまる宇宙」展

まつだい「農舞台」ギャラリーにて、芸術祭より一足先にはじまりました! 

雲ではなく、クモです。

クモの網の標本を展示しています。 

クモ!?

と思う人もいるかもしれませんが、クモの網を見てください。今までのクモのイメージが覆されるくらいとてもステキです。 

そんなクモに魅せられて、標本の採集家である船曳和代さんは2000枚以上もの標本を採り続けてきました。展覧会ではそのコレクションを紹介しています。

また、妻有のクモの網の実物も紹介します。 

網の標本っていっても想像がつかないかもしれませんね。簡単に説明させていただくと、白いスプレーで色をつけた網を、厚紙に貼り付けているわけなのですが、着色する時がビックリなんです!目に見えなかった網がみるみる姿を現すんです!

パッと白い宇宙が広がる感じです。 

 

写真1.JPGクモの網といっても様々な形があって、よく知られているレコード盤のような円網から、フワッと柔らかいおわんをひっくり返したようなドーム型の網やハンモック状の網など。

しかもそれがすべて一本の糸から紡ぎだされるなんて、、、まさに職人技です。 

 

写真2.JPG

 

写真3.JPG4月から展覧会に携わってきましたが、私もすでにクモとクモの網に夢中になっています。

それがきっかけで、自然の中にはたくさんのアートが隠れていることに気付きました。

しかもそれを作り出しているのは自然であったり昆虫だったり。 

この展覧会を期に、気にして見る「目」って大事だなと思いました。

山、森、川、妻有には大きな自然がたくさんありますが、昆虫や動物達が作り出す自然の中のアートにも目を向けてみてはいかがでしょうか? 

まずは小さな芸術家によって編み出された世界を、ぜひ見に来てください。

 

こへび  伊藤美紀

  

まゆ.jpg

 

「繭の家-養蚕プロジェクト」の舞台となっている蓬平集落で、今年も養蚕作業が始まりました。

 

第3回芸術祭の前年である2005年に十数年ぶりに再開されて以来、蓬平では

毎年養蚕が行われており、今年で5回目。

作業は、集落の養蚕経験者によって行われています。

 

今年育てる蚕は約4000匹で、まだとても小さいですが、7月下旬~8月上旬には真っ白な繭

となります。出来上がった繭は、会期中、繭の家でディスプレイされるとともに、集落で生産される

繭グッズ」の素材となる予定です。

 

繭の家では、今年の春、隣地に150本の桑の苗が集落の方の手で植えられており、お母さん達

の養蚕体験談に耳を傾けながら、かつて日本各地にみられた養蚕風景へ思いを馳せることができます

 

なお、養蚕の様子など、繭の家に関する情報は下記ブログで。

作家と地元青年会の方が、プロジェクトの進展状況や里山の便りをお知らせします。

 

こんにちは。

今回は「風のスクリーン」という作品の移設をしました。

実際の作品を見たことはなかったのですが、設置されていた場所へ行き、

作品に使われていたもの、そこから見える景色を見て、

直接この目で見ることができなかったことを後悔しました。

 

今回の作業はこへびと室野の集落の方々で軽トラックにブロックを載せて

運ぶというものです。

単純作業に見えてこれほどに大変な作業はなかなかないと思います。

なんたって、1個約10キロあるブロックを約2000個以上運ばなければ

いけなかったのですから。

 

1台の軽トラックに載せられるブロックは1830個弱です。

全部で軽トラックは8台あったのですが、往復30分ある道を約10往復しなければ

いけませんでした。

それに加えて、車が行き違うことも出来ないくらい細く、

想像を絶するほど急で舗装されていない坂道。

計算しなければよかったと何度思ったことでしょう。

 

 

拡大.JPGのサムネール画像 

天気は晴天、最高気温は30度という梅雨には考えられないような天気にも恵まれました。

目の前には約2000個のブロック、1日では終わらないだろうと、

みんなで口をそろえて言っていました。

 

 

IMG_0408.JPG 

ちょうど300個くらい運んだところで、ある事に気付いたのです。

朝の段階で8台しかなかった軽トラックが明らかに増えているのです。

そして、軽トラックよりも2周りくらい大きいトラックが手伝いに来てくれたのです。

そのトラックは軽トラックの10倍近く1度に運ぶことが出来ました。

増えた軽トラックとそのトラックのおかげで作業効率とみんなのモチベーションが

格段に上がった気がしました。

初めは、何日かかるのかという話でしたが、午前中の作業だけで、

残り300個というところまで、運ぶことができました。

 

IMG_0407.JPG 

昼休みも終え、ラストスパートをかけようとした時、また気付いたことがありました。

地元の人のほとんどが帰ってしまったのです。

こへびだけで使える軽トラックは2台。

夢から覚めたかのように、現実に戻ってきてしまったのです。

元々、考えれば、地元の人たちの力なければここまで運ぶことのできなかった自分たちは、大変ながらも自分たちで頑張ろうと決め、頑張っていました。

残り300個と言えど、軽トラックは2台、最初よりも作業効率はおちてしまったのでした。

  

そこへ地元の人が3人「忘れ物を取りに来たついでに運んでくよ、

と言って手伝ってくれたのでした。

ついでと言っていたのに、結局、最後まで残って手伝ってくれました。

足りないものがあったら、家まで取りに帰って、貸してくれて、

無事1日では終わらないと思っていたブロック運びが終わり、

今日やる予定ではなかったブロックの洗浄が300個も終わらせることが出来たのです。

そして、最後まで手伝ってくれた親子は名も名乗らず帰って行きました。

 

IMG_0417.JPG IMG_0412.JPG 

僕は終始感動していました。

なぜなら、ここまで全力でお金にならない仕事を手伝ってくれたからです。

他人のことでも自分のことのように全力で手伝う。

それは何のためなのでしょうか?

困っている人がいたから?この地域を守りたいという気持ちから?

考えても分かりませんでした。

でも、僕はこんなにも人情に厚い人々とその人たちが守ってきた自然、現代まで残っている日本の原風景を微力かもしれませんが、本当に守っていきたいと思いました。

そして、多くの人に芸術祭を通してこれらに少しでも気付いてもらいたいと心から感じました。

 

 

本来、ボランティアとは「大変そうだね、俺も手伝うよ。」って、

そんな感じでするものなのかもしれません。

 

 

 

こへび隊 大橋 惇一

 

 
 
かかし作り.jpg今回の芸術祭で松代城の下に設置される、東京「深川資料館通り商店街」協賛の
「かかしプロジェクト」。
 
 
6月14日と27日の2日間は、東京深川商店街や新潟市から数名の方が松代にいらっしゃって、
地元松代の人々と協働で、「かかし」作りを実施しました。
 
私たちまつだい案山子隊もこれに参加し、100本近いユニークな作品が出来ました。
 
松代の人が作った優秀なかかし10本は、東京まで連れてゆかれ、9月1日からの「深川資料館通り
商店街かかしコンクール」に出品されるとの事です。
 
 
 
 

かかし1.jpg  かかし2.jpg

 

私の作った「天地人」2本も、東京につれて行かれる事になりました。

            
                                                                                           
以上まつだい案山子隊員 髙橋 笑

GAKKOU.JPGはじめまして。中条小学校枯木又分校に作品を展示する森太三です。

私は、小学校2階の床全面を、紙粘土で敷きつめる作品を発表します。


自宅が京都ということもあり、なかなか現地まで行く機会が持てず、制作としては初めての滞在。

6月28日(土)朝6時に車で出発。いくつものトンネルを抜けて枯木又に着いたのは午後4時。

荷物が多かったのでゆっくり走りましたが、さすがに遠いなーとヘトヘトになりながらの到着。

正直、こんな遠い所で発表する意味あんのかなー、なんて考えたりもしました。


養生.jpgしかし、現地に着くと、毎回感じていた事ではありますが、空気の質が全く違います。

ここへ来てよかった!と思います。これはなんでしょう。言葉では説明し難いのですが、制作への

意欲が高まり、身体が元気になるような感覚です。ほとんど休憩も取らないまま、下準備の養生

作業に取り掛かりました。



中条小学校枯木又分校は、「京都精華大学枯木又プロジェクト」として、学生、教員、卒業生が

中心となって今後も継続させていくプロジェクト。

初めての今回は、教員の作品3点と、学生が主体なって活動しているアーカイブ展示や

ワークショップ・イベント型の作品などが展開されることになっています。

詳しくはhttp://seikaart.jp/~rittai/seikaHP/karekimata/karekimata-top.html を

各プロジェクトの制作風景は、http://karekimata.blog.shinobi.jp/Entry/16/#ps

をご覧ください。

 

清掃後.jpgということで、週末を利用して何人かの学生も滞在。2日目は小学校の大掃除を行いました。

2階にあった備品や本を倉庫に片付ける作業。汗だくになりながらの体力仕事!学生がおおいに

動いてくれて、夕方にはすっかりきれいになりました。

学生は月曜から授業があるので、京都へと帰っていき、僕と手伝いに来てくれた知人の2人で

明日からは制作です。

 


パーツ接着.jpg素材となっている紙粘土は、古紙をシュレッダーにかけた後に攪拌して、パルプ化し、そのパルプに

凝固剤、ボンド、石灰を混ぜたものを用います。作品は、指先で起伏をつけていく手作業を繰り返して

制作していきます。まずは、事前に作ってきた90×60センチのパーツを並べ、継ぎ目にパルプを

入れて一体化させていきます。



3日目以降は雨がシトシトと降る天候。作業するには暑くも寒くもない、過ごしやすい日々。

それにしても、この小学校。山の頂上付近にあり、とても気持ちが良い場所。

こんな空間に作品を展示できる事に喜びを感じながらの制作です。夕方。ふと窓外を見ると、

幻想的な霧が小学校を覆っていました。



霧.jpg帰る頃には、小学校が消えてしまいそうな濃霧です。



最終日には地元の方々のお家を一軒ずつまわり、古紙回収をさせて頂きました。

集めた古紙を京都に持って帰り、攪拌してパルプにしたもの用いて、残りの部分を制作します。



saigo.jpg今回の滞在で、床面の70パーセントが埋まりました。次回は7月18日から滞在予定。

残りの部分を埋めていき、補修、仕上げに塗料でコーティングして完成です。

完成後は起伏の上を歩いたり、寝転んだり。

鑑賞するというよりも体感していただくことで成立する作品ですので、是非お越しいただき

「風景」を全身で楽しんで頂けたらと思います。

 

                     

                                                森太三

こんにちは。

 

現在、法政大学国際文化学部稲垣研究室は、中里地区の干溝集落で「干溝博物館」プロジェクトに取り組んでいます。

集落の人々の「子ども時代」について取材、また集落の子どもたちと一緒に作品作りをして、それらを基に「子ども」をテーマとした仮設の博物館を集落の中につくるという作品です。

 

集落のみなさんには取材活動から作品制作まで手伝っていただいていて、スクラムをがっちりと組んでいます。滞在中にはお野菜(やお酒)の差し入れなど、とてもお世話になっています。

 

 

 

学生数名で干溝博物館の作品の一つとして取り組んでいるのが、「干溝子どもニュース」です。

毎週土曜日に行っているワークショップ「干溝子ども会議」で、2回にわたり子どもたちとニュース

番組をつくりました。

 

 

 

ひみぞ.jpg1回目は、ニュースの原稿読みと天気予報の収録をしました。

ニュースは、子どもたちに教えてもらった干溝でのできごとや催し物をとりあげました。

難しい言葉もあり、原稿を読むのに苦戦していましたが、子どもたちはとっても上手にニュースを

読んでくれました。

 

お天気コーナーの撮影は、恥ずかしそうにしながら「天気予報士」に挑戦していました。

また、みんなにタイトルコールをお願いした際も子供たちは照れてしまっていましたが、お母様方にも協力いただき、みんなで声を合わせて、"ひみぞこどもニュース!!"と元気良く番組のタイトルコールができました。

干溝の子ども達はとにかく明るく元気いっぱいです。

 

 

 

2回目は、「干溝 六カ国語講座」と「いももちのグルメレポート」を収録しました。

まず、六カ国語講座とは、子どもたちが教えてくれた干溝での出来事をマルチリンガルな言語で

言い換えてもらう語学番組です。

 

私たち国際文化学部の学生が選択して学ぶ語学はなんと全部で六カ国語(英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語)あります。

偶然にも、今年のゼミ生はこの六カ国語をカバーできており、それぞれの言語を学んでいる学生が翻訳し、ゼミの時間に実際に話す姿を撮影してきました。

その動画を子どもたちに見てもらいました。耳慣れない言語が多い中、みんな一生懸命に話してくれました。

 

もう1つの「いももちのグルメレポート」では、干溝で5月に行われた「ワイワイ祭り」で食べたという

いももち(ジャガイモをベースとしたおもち)を、集落のいももちづくり名人に実際に作ってもらって、

それを子どもたちに食べてもらい、その味について、カメラに向かって述べてもらいました。

「味」「食感」「好きな味付け」などなかなか良いコメントをくれる子どもたちもいました。

何よりみんな美味しそうに食べてくれました。

 

今、それらの素材を取り入れて黙々と編集作業をしています。子どもたちのよい笑顔と頑張る姿を、ぜひ多くの方に見ていただきたいなと感じています。

 

 

干溝プロジェクト 現在進行中!ブログでご覧ください。

http://himizo-museum.blogspot.com/

 

 

 

清水翔子(法政大学国際文化学部4年)