こんにちは。
今回は「風のスクリーン」という作品の移設をしました。
実際の作品を見たことはなかったのですが、設置されていた場所へ行き、
作品に使われていたもの、そこから見える景色を見て、
直接この目で見ることができなかったことを後悔しました。
今回の作業はこへびと室野の集落の方々で軽トラックにブロックを載せて
運ぶというものです。
単純作業に見えてこれほどに大変な作業はなかなかないと思います。
なんたって、1個約10キロあるブロックを約2000個以上運ばなければ
いけなかったのですから。
1台の軽トラックに載せられるブロックは18~30個弱です。
全部で軽トラックは8台あったのですが、往復30分ある道を約10往復しなければ
いけませんでした。
それに加えて、車が行き違うことも出来ないくらい細く、
想像を絶するほど急で舗装されていない坂道。
計算しなければよかったと何度思ったことでしょう。
天気は晴天、最高気温は30度という梅雨には考えられないような天気にも恵まれました。
目の前には約2000個のブロック、1日では終わらないだろうと、
みんなで口をそろえて言っていました。
ちょうど300個くらい運んだところで、ある事に気付いたのです。
朝の段階で8台しかなかった軽トラックが明らかに増えているのです。
そして、軽トラックよりも2周りくらい大きいトラックが手伝いに来てくれたのです。
そのトラックは軽トラックの10倍近く1度に運ぶことが出来ました。
増えた軽トラックとそのトラックのおかげで作業効率とみんなのモチベーションが
格段に上がった気がしました。
初めは、何日かかるのかという話でしたが、午前中の作業だけで、
残り300個というところまで、運ぶことができました。
昼休みも終え、ラストスパートをかけようとした時、また気付いたことがありました。
地元の人のほとんどが帰ってしまったのです。
こへびだけで使える軽トラックは2台。
夢から覚めたかのように、現実に戻ってきてしまったのです。
元々、考えれば、地元の人たちの力なければここまで運ぶことのできなかった自分たちは、大変ながらも自分たちで頑張ろうと決め、頑張っていました。
残り300個と言えど、軽トラックは2台、最初よりも作業効率はおちてしまったのでした。
そこへ地元の人が3人「忘れ物を取りに来たついでに運んでくよ、
と言って手伝ってくれたのでした。
ついでと言っていたのに、結局、最後まで残って手伝ってくれました。
足りないものがあったら、家まで取りに帰って、貸してくれて、
無事1日では終わらないと思っていたブロック運びが終わり、
今日やる予定ではなかったブロックの洗浄が300個も終わらせることが出来たのです。
そして、最後まで手伝ってくれた親子は名も名乗らず帰って行きました。
僕は終始感動していました。
なぜなら、ここまで全力でお金にならない仕事を手伝ってくれたからです。
他人のことでも自分のことのように全力で手伝う。
それは何のためなのでしょうか?
困っている人がいたから?この地域を守りたいという気持ちから?
考えても分かりませんでした。
でも、僕はこんなにも人情に厚い人々とその人たちが守ってきた自然、現代まで残っている日本の原風景を微力かもしれませんが、本当に守っていきたいと思いました。
そして、多くの人に芸術祭を通してこれらに少しでも気付いてもらいたいと心から感じました。
本来、ボランティアとは「大変そうだね、俺も手伝うよ。」って、
そんな感じでするものなのかもしれません。
こへび隊 大橋 惇一