
こんにちは!今年の夏からこへびの活動に参加している伊藤です。
いつもは東京で大学院生をしているのですが、夏休みに旅行で訪れた妻有に惹かれ、帰ってきてすぐこへびに登録してしまいました。出身は秋田なので、雪国つながりで妻有にはちょっと親近感をおぼえています。
さて、今日は11月14日(土)に開かれた「寺子屋こへび」についてご報告します。第5回目の先生は、今年6月末からこへび隊に加わった、中越森林管理署にお勤めの酒井文子さん。今回は「越後妻有の森」がテーマ。三省ハウスに宿泊中のお客さんたちも参加して、みんなで勉強会をひらきました。
「このお花、なんだか分かりますか?」
酒井さんがまず見せてくれたのは、紫色のちいさなお花の写真。エンゴサクといって、妻有の森でよく見かけるお花なんだとか。
妻有の風景には欠かせない棚田にも、秘密が隠されています。「河岸段丘」と呼ばれる特殊な地形の妻有は、大雨の時にはしばしば地すべりに悩まされます。それを防いでいるのが、棚田。よく手入れされた棚田は、雨水の流れを調整しながら蒸発を促すので、土砂崩れの防止に一役かっているのです。
自然と共存する中でつちかわれてきた知恵は、他にもたくさんあります。例えば、かつて妻有地域では「大雪の年に家を建て替える」ことが恒例だったようですが、なぜだか分かりますか?それは、山で切り出した大きな木材を、木ぞりに乗せて滑らせながら集落に運んでいたからとのこと。また、妻有の森にはさまざまな種類の木がありますが、トチやクリの木で蕎麦を打つ鉢を作ったり、農具には堅いナラやブナを使ったりと、材質や目的に合わせてつかい分けがなされてきました。古い写真や、いろいろな木材の見本帳も見せていただき、こへびたちは感心しきりでした。
妻有の人々が自然と上手に付き合ってきた歴史を学ぶと、山や棚田の風景も、古い木造の空家も、いつもとは違って見えてきます。「里山」とは「人里近くにあって人々の生活と結びついた山・森林」のことを指しますが、芸術祭の舞台が、「自然」と「生活」の交わる場であることに改めて気づかされました。
酒井さんが最後に紹介してくれた、「見倉の大栃」(津南)付近の林道に建てられた石碑には、こんな言葉が刻まれています。
「山を愛し、ここに生きる」
この一言に、妻有の魅力と、酒井さんの妻有への想いが、ぎゅっと凝縮されているような気がしました。酒井さん、すばらしいお話をありがとうございました!

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