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紅葉が見頃を迎える秋山郷「かたくりの宿」で、秋の採れたて食材を使ったスペシャルランチを食レポ!

今年は例年よりも早く紅葉が見頃を迎えた、秋山郷。秋山郷とは新潟と長野の山間に点在する12の集落の総称で「日本の秘境100選」に選ばれた自然豊かな土地です。今回は秋山郷の入り口に位置する、廃校をリノベーションして造られた宿泊施設「かたくりの宿」で、スペシャルランチをいただいてきたので、その様子をご紹介します。

テキスト・編集:アソビュー 

29 October 2020

彩り華やかに盛り付けられた前菜

まずは、地元の食材を使ってつくられた前菜プレート。宿の周辺の野山で摘まれた草花が盛り付けられ、食べるのが勿体ないほどの美しさ。思い出の一枚として、食べる前に写真におさめておきましょう。

食事はもちろんすべて手作りで、集落のお母さんから教わったレシピや、スタッフで試行錯誤しながら練られた自慢のメニューが並びます。

秋山郷のメープルウォーター

最初にいただいたのは、真冬に数週間だけ採取できる楓の樹液(メープルウォーター)。口あたりなめらかで飲みやすく、食事前の気分を高めてくれる絶品ドリンクです。ミネラルウォーターにほんのり甘味がある飲み物で、その希少さ故に、飲み干すのが惜しいくらい。

こごみとしょうゆの実マヨネーズ和え

続いて、春に取れたこごみに、妻有で親しまれているしょうゆの実とマヨネーズをあえた一品を。

春に取れた山菜を、1年かけて食べるのが豪雪地帯に住む人々の食文化と聞いたことがあり、この季節に春の山菜が食べられることに感謝しながら、美味しくいただきました。

この地域では、6月中旬までの間に約30種類の山菜が取れるとのこと。山の恵を丁寧に下ごしらえして美味しく調理する知恵が、この地域には根付いています。

天然なめこのバターソテー

こちらは、スーパーで見かけるなめこの数倍はある、大きななめこをバターのソテーで。少し肌寒いこの季節の温度も計算されていて、冷めても美味しい調理に感動しました。

車麩照り焼き

新潟県内で古くから親しまれている伝統食材の車麩を、パリッと香ばしく照り焼きにし、磯の香りも楽しめる一品は、どこか懐かしい味付け。

シャインマスカットの白和え

隣県長野のシャインマスカットを贅沢に使った白和え。さっぱりとしていて、熊肉の味噌煮込みや車麩の照り焼きを食べた後のお口直しにもなります。

茶碗蒸し(銀杏豆腐 花山椒)

主菜をいただく前に、蒸し物も。この時点ですでに大満足ですが、まだまだ美味しい食事が振る舞われます。

旨味が凝縮されている茶碗蒸し。この地域で採れた花山椒がアクセントになります。

妻有ポークの蓮根バーグ 行者ニンニク醤油

肉質が柔らかく、脂肪の甘味が特徴的な新潟の銘柄豚「妻有ポーク」を、食べやすく刻まれた蓮根と一緒に練り込んだハンバーグ。

まずは、ニンニク醤油を付けずにそのまま。ハンバーグの「こってり」とした感じがまったくなく、ヘルシー! そして、行者ニンニク醤油と一緒に食べると、さらにご飯がすすみます。

この日は他にもランチをいただく予定だったので、おかわりは我慢。本当は、前菜の時点で1杯、主菜で2杯はおかわりしたかったのですが、、、ここでは我慢、我慢。

石垣田の新米こしひかり

今回いただいたお米は、近くの「石垣田」で採れた新米で、見惚れるほどの艶で、粘り気も程よく、さすがの一言。

石垣田はその名の通り、石垣で田んぼが組まれているため、機械で稲作ができる平地に比べて、手間のかかる田んぼ。先祖代々守り継がれてきた田んぼのお米は、生産者の方の思いが詰まった、特別な味がしました。

結東の石垣田(夏撮影/2018年大地の芸術祭作品 島袋道浩「石垣田の作品、蜂箱の作品、結東のもうひとつの作品」より)photo by NAKAMURA Osamu

きのこ汁

秋に収穫されたなめこ、ひらたけ、くりたけたっぷり入ったきのこ汁も絶品。きのこの旨味はもちろん、おかずとして出てきても疑わないほど、大きなきのこがたっぷりはいっています。

梅寒天 岩梨添え

そして最後にいただいたのは、梅寒天のデザート。透き通った寒天の上に添えられているのは、高級食材の「岩梨」。その希少性から、1つ数百円で取引されることもあるとか。そんな貴重な食材も、この地域では、子供のおやつとして食べられていたそうですよ。

ちなみに岩梨は、山地に生息するツツジ科の植物で、岩場に生え、梨のような味がすることから、そう呼ばれているそう。確かに、梨のようなみずみずしさがありました。

Photo by NOGUCHI Hiroshi

そんな、普段食する機会の無いこだわり食材をふんだんに使って振る舞われる、かたくりの宿の秋のスペシャルランチ。芸術祭の秋会期中の毎週木曜日〜日曜日に、かたくりの宿でいただけます。

いよいよ秋も深まり、紅葉も見頃。冬を迎える前に、実りの秋を楽しむラストチャンス!ぜひ、秋のかたくりの宿に足を運ばれてはいかがでしょうか?

Information

かたくりの宿

  • 開館:2020年10月10日(土)〜11月1日(日)の木金土日
  • 時間:①12時~/②12時半~
  • 料金:一般3,300円、小学生1,650円、幼児1,100円(税込)※現地支払。クレジットカード可
  • 予約:オンライン予約、またはお電話(025-761-5205)
    ※オンライン予約締切は予約日の前日17時まで。それ以降はお電話でお問合せください。

施設情報
かたくりの宿
〒949-8316 新潟県中魚沼郡津南町大字結東子450−1
TEL:025-761-5205 (9:00〜16:00)
FAX:025-761-5206
e-mail:katakuri@tsumari-artfield.com
施設HP:http://www.tsumari-artfield.com/katakuri/

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