大地の芸術祭の里 コンセプト
「人間は自然に内包される」
文明が曲がり角を迎えている今、豊かな自然に包まれてある越後妻有の生活=里山は、地球環境に対する視座を見つめ直し、環境破壊をもたらした近代的パラダイムを変革するきっかけとなりうるものです。
そこから「人間は自然に内包される」という基本理念が生まれ、この理念が、「大地の芸術祭の里」のすべてのプログラムに貫かれています。人間と自然がどう関わっていくかという可能性を示すモデル地域となることを目指して、越後妻有の地域づくりは進められています。
晴耕雨読、夏耕冬読 − 四季を通して学び、遊ぶ
世界有数の豪雪地・越後妻有地域(新潟県十日町市+津南町)を舞台とする「大地の芸術祭の里」では、晴耕雨読、夏耕冬読の文化交流が、四季を通して行われています。
アーティストが手がけた文化施設は、地域の人々によって運営され、心温まるおもてなしで旅人をお迎えします。アートを巡る道程では、棚田やブナ林、祭りや伝統行事など越後妻有の風土や文化を五感いっぱいに感じることができます。ここでの体験は、私たちが忘れかけていたふるさとへの思いを呼び起こし、人と人、人と大地の新しいつながりを感じさせてくれるでしょう。
里山とアート
20 世紀は都市の時代であり、都市の美術でした。しかし、都市が病み、美術が暗く、孤立的になり、本来もっていた場所と人、人と人を明るくつなぐ力を失っていったのに対し、越後妻有では、アーティストたちは、里山の生活と自然のなかで、美術が失いかけていた連帯、協働といった喜びを見出しているようです。
「大地の芸術祭」では、作品を1箇所に集中的に展示するのではなく、200の集落をベースに作品を散在させ、現代の合理化、効率化の対極として、徹底的な非効率化を試みています。里山の美しさ豊かさを際立たせ、そこに積層した人間の時間を浮きあがらせる作品を巡りながら、訪れた人々は、五感を開放し、生の素晴らしさを全身に蘇らせるのです。
「大地の芸術祭の里」では、世界のアーティストが手がけた約200点に及ぶアート作品が、760㎢もの広大な大地に常設されています。田畑、民家、廃校などを活かしたアートを通して、四季折々の里山の生活を感じてください。
世代、地域、ジャンルを超えた協働
ここ越後妻有では、アーティストは「他者の土地」にものをつくらなければならず、地域とのコミュニケーションをとらざるをえません。やがてアーティストの学習と熱意は住民を動かし、住民たちは「観客」としてではなく、協働者として作品に関わり出しました。
また「大地の芸術祭」には、数多くの都会の若者がボランティアとして参加してきました。彼らは「こへび隊」と自らを名付け、さまざまな活動に関わっています。「過疎地の・農業をやってきた・お年寄り」に対して、「都市で・何をやっているかわからない・学生」との出会いは、衝突、困惑から理解、協働へと変化し、地域は、若者によって開かれていきました。
こうしたアーティストや都市のサポーターたちは、2004年の中越大地震、2年続きの豪雪がこの地域を襲うと、「大地のお手伝い」と称して復興支援活動や雪堀ボランティアとして活動しました。こうした協働の過程でわかってきたのは、 妻有は都市に住むサポーターたちにとって、かけがえのない「希望をつくりだす場所」となっているということでした。現在、若者だけでなく大人達がそれぞれのスキルを活かしながら「新しい故郷」づくりに参画しはじめています。
新しい地域づくりのモデルとして
越後妻有における新たな地域づくりのあり方は、「ふるさとイベント大賞(総務大臣表 彰)」、「東京クリエーション大賞」、「地域づくり総務大臣表彰」など美術の枠組みを越えた評価を受けてきました。文化芸術による創造都市(クリエイティブ・シティ)が関心を呼ぶ中、越後妻有は、徳島、茨城、新潟市、大阪、瀬戸内など全国のさまざまな地域づくりに影響を与えています。
祭り
3年に一度開催される「大地の芸術祭」のほか、「大地の祭り」、「雪アートプロジェクト」など多様な催しが、地域の祭りや行事とともに通年で楽しめます。芸術祭以外の年に開催される夏の「大地の祭り」では、常設作品が全て公開され、地域の人びとによるあたたかなもてなしが旅人を迎えます。
学びと遊び
まつだい「農舞台」、「森の学校」キョロロなどの拠点施設や、空家・廃校を使ったアート作品では、地域の生活文化と芸術・民俗・科学が切り結んだ学びと遊びの体験プログラムを、通年で開催しています。学校や企業の研修にもご利用ください。
イベント・パフォーマンス
世界のさまざまな地域に息づく芸能やパフォーマンスが、アートや棚田、自然に囲まれた越後妻有ならではの舞台で鑑賞できます。土地に根ざした表現、身体を極限まで使って生み出される芸能を全身で感じてください。


















