新潟県十日町市・津南町とともに、大地の芸術祭の企画運営を行うNPO法人越後妻有里山協働機構は、芸術祭の成果のひとつである「大地の運動会」の取り組みが評価され、国際交流基金による地球市民賞を受賞いたしました。
Photo Nakamura Osamu
越後妻有里山協働機構は「大地の芸術祭」で培われた協働の精神を受け継ぎ、地域とアートを結びつけた文化活動を展開するために 2008 年に設立。廃校を活用した拠点づくりや住民・アーティスト・教育機関・企業との連携を通じて、地域文化を支える社会基盤を築いてきた。その理念のもと地域に実装された「大地の運動会」は日本独自の運動会を再解釈し、多様な人々が身体を通して交流する場をつくり出している。在住の外国人を含む多様な人々が同じチームで競技し、応援し、食事を共にし、互いの息づかいを分かち合う時間は、共に生きる感覚を身体で実感できる特別な体験であり総合芸術活動である。笑い声と声援が交差する共生社会の祝祭として「大地の運動会」を高く評価し、本賞を授与する。
独立行政法人国際交流基金より
日本の小・中学校の運動会は、爺さま、婆さまから未就学児まで参加する、世界にも珍しい、地域をあげての伝統的な催しです。玉入れ、大玉送り、綱引き、駆けっこ、借り物競争等の種目に始まって、満艦飾(まんかんしょく)のグラウンドに音楽・ダンス付きの応援、食事の交換、手縫いのゼッケン、立看等、五感全開の楽しい交流・歓待の時空間が展開される喜びです。ホモ・サピエンスが辿り着いた日本列島の、雪深い土地の米の収穫時に、異邦人、障がい者、経済的格差に生きる子どもたち、地球市民の遊びが受賞でき、とても嬉しいです。
NPO法人越後妻有里山協働機構理事長
北川フラム
NPO法人越後妻有里山協働機構は、「大地の芸術祭」で生まれた作品や施設、プロジェクトを通年事業として運営し、越後妻有を魅力ある地域にしていくために2008年に設立されました。地元出身者や県内外からの移住スタッフで構成され、地元の方々や作家、こへび隊(「「大地の芸術祭」の里・越後妻有(十日町市・津南町)を舞台に、芸術祭を支えるために活動するボランティア)、地元サポーターの方々に支えてもらいながら3年に1度の「大地の芸術祭」、合間2年間の作品メンテナンス、企画展・イベント・ワークショップの開催、農業、ツアーの実施、グッズやお米の販売、食宿泊施設の運営、それら全ての広報や誘客促進に従事しています。 農業事業は、「大地の芸術祭」からの派生プロジェクトとして、2003年から「棚田バンク」サービスを導入・スタートしました。松代エリアは色濃い農耕文化をもつ一方、棚田の多い山間地域は大型機械を使えず、高齢化とともに耕作放棄地が増え続けています。それらをできる限り引き受け、耕作しながら棚田の保全活動に努めており、「まつだい棚田バンク」として会員から資金提供を受ける代わりに、NPO法人が農作業を担い、収穫した新米を分配する、それが「まつだい棚田バンク」の制度です。企業会員も増え、2025年現在約11.5haを耕作、会員参加型の田植えや稲刈りイベントには毎年200人以上が参加され、採れた新米はショップ販売や食施設でも提供しています。 さらに2015年には女子サッカー実業団「FC越後妻有」を発足。NPO法人職員としてサッカーをしながら「大地の芸術祭」運営のほか担い手不足の農業に従事する、「他に類をみないプロジェクト」の先駆け的なプロジェクトです。まだまだマイナーな女子サッカーは、環境整備や引退後の保証など様々な問題を抱えています。FC越後妻有の選手は、農業、作品メンテ、ツアー、食、美術館運営、広報など「大地の芸術祭」の各事業に携わっており、サッカーと合わせて選手が農業や芸術祭運営などの技術を身に着け、高齢化する地域を支えながら自身のキャリアを形成しています。現在地域リーグで活躍していますが、地域リーグの試合では珍しい300人以上が応援に駆け付けることもあり、選手たちの存在が地域を活気づかせる風景が広がっています。
「棚田」Photo Nakamura Osamu
大地の芸術祭作品「上郷クローブ座レストラン」Photo Nakamura Osamu
FC越後妻有
| TEL | 025‐761‐7767 |
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