作家は、過去2回の芸術祭で信濃川をテーマとした作品を発表してきた。今回は、信濃川の支流、渋海川の上流に位置する室野地区で、川の流れをショートカットして蛇行部分を田んぼに変える「瀬替え」に焦点をあてた。一粒でも多くの米をつくるための先人の工夫は、ローマ期の円形劇場を彷彿とさせる美しい地形も生み出した。作家はかつての川の流れを示す黄色いポールと、布を張り巡らしたやぐらを建て、野外劇場に仕立てた。独特の音響効果をもつ劇場では「世界太鼓フェスティバル」が開催され、観客は田んぼの畦道と瀬替えを囲む道、双方の回廊から世界の太鼓の音を楽しんだ。
作品番号 | D139 |
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制作年 | 2006 |
エリア | 松代 |
集落 | 室野 |