三箇の人々は自然の厳しさ 恵みをいかし、郷土を育んできた

公開終了
7/30(土)~9/4(日)の火水以外
Photo Nakamura Osamu
Photo Nakamura Osamu

作品情報と地図

作品について

日本有数の豪雪地帯である津南町の外丸・辰ノ口・三箇などの旧外丸村は、信濃川西岸に位置し、氷山や烏帽子形山、有倉山などの急峻な山地と信濃川に挟まれた小さな段丘や、急峻な山地からの土石流などによる山麓地形が南北に細く連なる地域で、対岸の広大な河岸段丘からなる下船渡・割野地域とは自然環境や地域資源の様相も大きく異なっています。こうした特性から雪崩や土石流なども多く、交通上甚だ困難な地域でしたが、信濃川発電所計画に伴い鉄道飯山線の整備をはじめ、辰ノ口から松之山に通じる交通の難所であった豊原峠にトンネルが開通し、スノーシェッドが整備されるなど、地域の人々の長年の夢が叶いました。

旧外丸村は、樽田・押付・島田・小岡・巻之下・外丸・辰之口・鹿渡・鹿渡新田の9つの集落からなっていました。旧外丸村の北部に位置する辰之口・鹿渡・鹿渡新田の3つの集落は、明治15年から34年まで三箇村として独立していた沿革があり、これを総称して「三箇」と言います。

三箇の信濃川に注ぐ舟繋川は、東西約2.5km、南北約2kmの流域で、流域に降った雨や雪は、中央部で集まり舟繋川となり、辰ノ口の狭隘な谷口から一気に信濃川に流出しています。流域内の谷底平野や古い地辷り地形の緩やかな斜面は、三箇の人々の耕作地として早くから利用されてきているほか、国道353号線が東西を結ぶ主要な交通の要衝地となっています。

舟繋川の信濃川への出口に位置する辰ノ口は、古来から風が強くて有名でした。「外丸郷土史」にも、「9月初旬に暴風が吹いて、いったん辰之口山に吹き込むと渦を巻き暴れまわって吹き続くので、農民は恐れたものである。」と記されています。風と山水に関してだけは、辰ノ口は独特な地形らしく、集落の名称もここからでたものらしい。あるいは辰ノ口集落から渓流が信濃川に注ぐ地形の形状から命名されたのではないかともいわれています。

こうした地域の厳しい自然環境と人々の暮らしとの関わりが、地域独特の文化を形成した証として「外丸郷土史」(昭和31年8月、恩田倬氏編纂)に記され、今に伝えています。

地域の激しい自然と人々との関わりや自然との共生に向けた適応の試みは、今日も続いています。特に気候変動に伴う地域の自然リスクの回避・緩和や自然への新たな適応に向けては、こうした先人の知恵に学び、活かし、引き継ぎ、今を生きる私たちがより良い知恵を出し合って取り組んで行くことが持続可能な地域づくりに求められています。

舟繋川流域には、信濃川上流の長野県飯山市の西大滝ダムより取水し、東京電力信濃川発電所までの20kmに水を流す直径6mの地下水路があり、発電所まで導水されています。ここ三箇辰ノ口では、約260mの沢地を超えるため、サイフォンの原理を活用したU字型の地下水路2本が暗渠となって、毎秒90トンの水を導水しています。

また、2011年3月12日の長野県北部地震に伴い、大規模な土石流が発生し、約16万㎥の岩塊が崩落し、積雪や土砂を巻き込んで船繋川や国道353号を100m以上にわたって埋塞しました。未だに2万㎥の不安定土塊が斜面上に残存していることから、トヤ沢に崩積した土砂を活用した4つのセル式砂防ダム(高さ14m、幅115m)が整備されました。

こうした土石流の状況、流出範囲の実態を視覚化し、整備された砂防ダム堰堤と一体になって、人と自然との闘いを考える“場”を提供するため、2015年に「土石流のモニュメント- A monument of mudslide」を制作展示しました。

さらに、埋設されたサイフォン導水管を意識し、普段気づかない地下の水の動きを地上に可視化することで、この水の目的と導水のための工夫などを考える“きっかけ”を提供するため、2018年に「サイフォン導水モニュメント- A monument of siphon water duct」を制作展示しました。

本プロジェクトでは、2015年の「土石流のモニュメント- A monument of mudslide」や2018年の「サイフォン導水モニュメント- A monument of siphon water duct」の作品の概要や「外丸郷土史」の内容をパネル化し、展示することにより、郷土の歴史・自然について知り、伝えていくとともに、新たな文化の創出に資することを目的としています。


※公式作品としては9/4で公開終了となりますが、9/17(土)より場所を移動して特別公開します。ご鑑賞には事前予約が必要となりますので、予約方法など詳細は以下ご確認ください。

【特別展示概要】※スタンプの押印はできません

会期:2022/9/17(土)~11/13(日)の月木金(祝日除く)/9:00 ~17:00 ※土日でも予約いただければ対応可
料金:無料
場所:だいすきさんが旧三箇小学校(旧三箇小学校)
住所:〒949-8207新潟県中魚沼郡津南町三箇甲2215-4
見学方法:要予約(025-763-2051/ sanga-koryu@grace.ocn.ne.jp
担当:三箇地区都会との交流を進める会 代表 恩田稔

作品情報と地図

作品番号 M071
制作年 2022
時間 日中
料金 作品鑑賞パスポートをご購入ください
エリア 津南
集落 三箇
マップコード 253 454 383 * 11
公開期間 7/30(土)~9/4(日)の火水以外(9/17より場所を変えて特別展示実施。詳細は本文確認。アプリでご覧の方は https://bit.ly/3xrJ9g2)
場所 新潟県中魚沼郡津南町三箇乙
つながる

最新ニュースやイベント情報、越後妻有の四季の様子、公式メディア「美術は大地から」の更新情報などを大地の芸術祭公式SNSアカウントで発信しています。