作品情報

作品について

アンドリューにとって、料理は、多感覚的で非言語的な言葉であり、失われないよう、実行され伝えられるべきものです。アンドリューは、食べ物が個人的意識や集団のアイデンティティー、文化的記憶、儀式、儀礼に及ぼす複雑かつ根本的な関係について、特に関心を寄せています。アンドリューは、料理や農業を介した伝統的な知識の活用を繰り返し行っています。彼の作品は、自らが育ったクイーンズランド州の農村部の伝統と料理人としての背景に強い影響を受けたもので、これらは彼の創作活動を進化させるための概念的な基盤を提供しています。アンドリューはリサーチの一環として、しばしば、公共の場所に自生しているハーブや野菜などを採取しています。

アンドリューは、「第5回大地の芸術祭‐越後妻有アートトリエンナーレ2012」開催中に、オーストラリア・ハウスで1ヶ月ほどレジデンシーに参加し、食べ物の採取や調理、集落での会食といった地元の儀式にみられる変化や伝統の重要性を考慮した、プロセスを重視したアート・プロジェクトに取り組みます。これは、日本各地で8月中旬に開催される祖先の霊を祀る行事であるお盆祭りを受けたものであり、浦田地区やその周辺の松之山地域の人々と協働しながら進められます。アンドリューは、記憶を持続させるために食べ物を媒体として活用するお盆のパフォーマンス・イベントを実施する予定です。彼のプロジェクトは、これまで地元で受け継がれてきた食料生産の伝統によって構成され、また人々の日常生活における儀式の意味を強調するものでもあります。アンドリューは、食生活が特定の時間、場所、人々を表すものであるという考えに基づき、現代の社会的問題にも意識を傾けながら、伝統をも受け継ぐレシピを考案します。彼のプロジェクトは、食べ物を通して、今後の集落のアイデンティティーの解釈を注意深く、繊細に試みるものです。

作品情報

作品番号 Y090
制作年 2012
エリア 松之山
集落 浦田
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