十日町では、小正月の頃に「ほんやら洞」と呼ばれる雪でできた家をつくり、地域ごとに憩いの場を設ける風習があります。この冬、MonETの建物を、雪を楽しんだり感じたりしながら、人々が集う大きな「ホンヤラドウ」として演出します。
【企画監修】BankART1929
【参加作家】6lines studio+塚本由晴、山本愛子、井原宏蕗
【日時】2026/1/24(土)~3/8(日)10:00-17:00(16:30最終入場)
【料金】回廊は無料(一部体験料あり)
【ライトアップ】1、2月は20:00まで、3/1(日)以降21:00まで
十日町の暮らしは、毎年やってくる大雪と共にある。家の入口を雪から守るために道までトンネルのように覆う「アマヤ」や、「ユキゴシ」「ユキノコギリ」を使った雪かき、ソリやスケートでの雪遊びなど、この地域ならではの雪との付き合い方には、たくさんの知恵や文化が息づいています。冬のMonETに現れる「雪庭」を、まるで民族誌をのぞき込むように感じていただけます。また、ツールシェッドに置かれた雪の暮らしの道具は実際に手に取って体験でき、こうした道具とともに生まれる snowscape(雪の風景)は、日ごとに形を変えていきます。どんな姿になるか分からない、移りゆく雪景色を楽しみながら、“雪を待つひととき”そのものを味わってみてください。
《All Things are in Flux #5 》2025
植物のシルエットやドローイングの筆跡を織り交ぜ、サイアノタイプの技術を活かした作品。越後妻有の自然や植物、雪などのモチーフを取り入れる。
《足跡を裏返す_1》2022
雪上で見つけた動物の足跡。それらは次第に風化し、やがて消えていくが、動物たちの生きた痕跡である。そんな刹那的な痕跡を、そのままの形で型取りし、裏返す。動物が踏むことで生まれた空間が、型によって反転し、彫刻として立ち上がる。常に生まれては消える生命の証を残す作品。
《book(ing)》
虫に喰われて欠損した本たち。それらは本であり、虫にとっては食物であり、食べ残しであり、時に彼らの住処でもあった。それらを生物が創った彫刻として捉え、保存修復で使用する薬品で書籍の質感を保たせながら硬め、彫刻のように自立させる。小さな虫たちの生々しい息遣いから生まれたこれらの形は、スケールを変えると都市を空から眺める地図のようにも映る。消失と現存、虫と人間、スケールを横断しながら生物の生きた証を捉えなおす。
詳細が決まり次第、順次公開します。
6lines studio + 塚本由晴
東京科学大学(旧東京工業大学)建築学系教授でアトリエ・ワン共同主催の塚本由晴と、塚本研究室出身の大山亮、片山果穂、笹木聖、渕野剛史、増井柚香子、宮崎陸による建築コレクティブ・6lines studio の共同企画。塚本が一般社団法人「小さな地球」理事の一人として 2019年から取り組む里山再生活動に 6 人が合流し、「里山タイニーハウス滴滴庵」建設を機に 6lines studio として活動を開始。2025 年、東京ビエンナーレ 2025「スキマプロジェクト」(日本橋・馬喰町エリア)に参加。
山本愛子
美術家。1991 年神奈川県生まれ、京都府在住。東京藝術大学大学院先端芸術表現科修了(2017)。ポーラ美術振興財団在外研修員として中国にて研修(2019)。 アジアを中心とした国内外でのフィールドリサーチや滞在制作を通じて、自然環境と人間の関係性をテーマに、主に染色技術を用いて作品を制作している。主な展覧会に「忘れているけど在る(それはまるで呼吸のような)」(gallery N/愛知 2025)、「SENSE ISLAND/LAND 感覚の島と感覚の地 2024」(観音崎公園/神奈川 2024)、「BankART Under 35」(BankART KAIKO/神奈川 2021)などがある。MonET での展示は、夏秋の「こたえは風に吹かれている」より継続して参加。
井原宏蕗
1988 年大阪府生まれ。2011 年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。2013 年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。生物が生きることで生み出した副産物や生物の習性などに着目し、それらを生物が作った彫刻として自立させる作品を制作している。動物の糞を漆で固め、排泄元の身体に戻す作品や、ペットフードや羊毛などで動物を形成し、焼失し鋳造する作品、鳥の巣を自然かつくったかたちのまま器にするプロジェクトなど、自然が生み出した造形を作品に取り入れている。見向きもされない生物や彼らの生きた痕跡に敢えて目を向けることで生態系とその循環について見つめなおす。MonET での展示は、夏秋の「こたえは風に吹かれている」より継続して参加。
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【日時】2026/1/24(土)~3/8(日)10:00-17:00(16:30最終入場) 【ライトアップ】1、2月は20:00まで、3/1(日)以降21:00まで |
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| 場所 |
越後妻有里山現代美術館 MonET回廊、池 |
| 料金 | 回廊の作品は無料で鑑賞可 ※一部体験型作品は有料(共通チケットまたは、企画展チケットを提示で無料) 美術館内は「越後妻有の冬 2026」共通チケットもしくは企画展(常設展含む)チケット一般1,200円、小中600円 ※館内の作品入替工事に伴い、一部作品公開休止・入館料半額対応となる期間あり |