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運営 / 越後妻有の舞台裏から

荒れ地を開墾して3年目の畑

06 August 2020

まだまだ認知は低いのですが、農舞台裏の松代城山では、FC越後妻有の選手が畑を耕し、有機無農薬で様々な野菜を栽培しています。

畑を始めたのは2018年の大地の芸術祭。城山フィールドミュージアムプロジェクトの一環として、耕作放棄地を有機観光農園に再生させることを目標にスタートしました。アート作品が点在する稀有な特徴をもった、自然豊かな松代城山を巡りながら、実際に野菜の収穫体験を行ない、味わうことができる体験型の畑です。

収穫体験の様子

当初は荒れ地を開墾するところから始まったので、木の根っこや土の塊がゴロゴロしている土地で、途方に暮れたことを覚えています。畑としての土質は悪く、ミミズなどの小さな生き物たちもいないような土でしたが、毎年堆肥を入れて耕作し、3年目の今ではだいぶ畑らしい土に変わり、ミミズ・バッタ・カマキリ・トカゲなどの小さな生き物たちも、たくさん遊びに来てくれるようになりました。

畑に遊びに来たトカゲ

野菜づくりの教科書を片手に、何とか会期に間に合わせようとバタバタでスタートした1年目。1人ですべての畑を耕作するのは難しいと力不足を痛感した2年目。耕作をするメンバーが増え、野菜の受粉を手伝ってくれるミツバチも仲間入りした3年目、ベテラン農家さんに比べたらまだまだ足元にも及びませんが、血と汗と涙をしみこませた畑も少しずつ実を結び始め、いよいよ次の段階に進むことができつつあるのかなぁと思っています。

山の中から畑の淵に移植したヤマユリ

松代城山も数十年前と比べると、人の手がなかなか入らなくなってきました。耕作している田畑は減り、きれいに草刈りされていた道沿いも、除草剤に代わりつつあり、里山に咲く花も減ってきていると、地元の大先輩方は言います。そんな松代城山を元の姿に近づけようと、畑の再生だけでなく、里山の再生も目指し、私たちは環境保全型農業に取り組んでいます。

畑作業の相棒、管理機の陽菜さんと共に畑を耕します。

作った野菜や畑での活動を広く展開することはまだまだ難しいのですが、畑の目標である有機観光農園に近づくために、今夏は「有機野菜の収穫体験と里山BBQ」を開催しています。まつだい城山を散策しながら畑で夏野菜の収穫体験をし、収穫した野菜を実際にバーベキューで食べる、という内容です。自分の目で見て、自分の手で触って、自分の手で収穫した野菜は格別なので多くの方にぜひ一度は体験してもらいたいです。

おいしいお米だけでなく、おいしい野菜も届けられるように、これからも一生懸命頑張りたいと思います。

里山BBQ

まつだい棚田バンク・FC越後妻有 大平理恵

まつだい棚田バンク

里親募集中

大地の芸術祭を機にスタートした棚田保全活動。里親(棚田オーナー)になると、秋に新米が配当されるほか、お米づくり(田植え、草刈り、稲刈り)のイベントに参加できます。

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Photo by YONEYAMA Noriko

トップ画像:Photo by YANAGI Ayumi

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