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長靴とスパイクの二足のわらじ ~稲も試合もかっていく~

01 November 2020

私は今年の春からFC越後妻有の一員となりサッカーをしながら、里山を守るために農作業をしています。入団をして早くも半年以上が経ちました。4月から午前中はスパイクを履き、午後は長靴を履くという生活を送っていますが、この9月・10月は私たちFC越後妻有にとって、特に熱い戦いが繰り広げられていました。

お米作りでは「稲の手刈り部隊」として稲刈りをし、サッカーでは新潟県リーグが開幕し「公式戦に出場する」という2つの任務があったためです。

まずは稲刈り。手刈り部隊として出動したことについて綴ります。今年の「まつだい棚田バンク」の稲刈りは、機械を使って刈る部隊と手刈りの部隊に分かれて行われ、私たちFC越後妻有の選手たちは主に手刈り部隊として出動していました。

手刈り部隊の出動先は常に、コンバインが入れないぬかるみです。そういった各田んぼのぬかるみに、手刈り部隊は赤いそりと鎌を持って出動します。私は初めて手刈りを経験しましたが、そもそもぬかるんでいる場所を歩くのは容易ではなく、移動するだけでも大変でした。途中、あまりの大変さに田んぼの真ん中で(写真にも写っているように)「うえーん」と泣きじゃくりました。手刈り部隊の仲間たちもドロドロになりながら必死に稲を刈りました。

私たち棚田バンクの今年の稲刈りは、最終的には機械部隊も順調に刈り取りが進み、終えることができました。

一方サッカーでは、新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れていた新潟県リーグが開幕。9月19日(土)に第1節が行われ、とても緊張しましたが、無事に勝利を掴むことができました。それは同時に、「FC越後妻有が単独チームとして公式戦に出場する」という目標が叶った瞬間でもありました。この日をずっと夢見てきたキャプテンの大平が試合後に涙をこらえながら嬉しそうに話す姿を見て、立ち上げから頑張ってきた大平と石渡(旧姓西川)の5年間の想いを感じ、私はこのチームに入って良かったと心から思いました。その後、9月22日(火)、10月11日(日)には第2節・第3節が行われ、その試合も私はガチガチに緊張しましたが、勝つことができました。残りの2試合も勝利し、今年度のチーム目標である北信越リーグ進出を叶えたいと思います。
(※記事は10月29日時点での制作)

≫リーグ戦全試合の結果はこちら(11月1日掲載ニュース)

photo by HOSHINO Miho

photo by HOSHINO Miho

このように、私たちFC越後妻有の9月と10月は、稲を刈って試合にも勝っていくという2つの熱い戦いが繰り広げられていました。1年目の私にとってサッカーをしながら農作業をすることは体力的に厳しく、試合に向けコンディショニングしていく難しさを感じました。

「ときには長靴を履き、ときにはスパイクを履く」。
私たちFC越後妻有にしかできない二足のわらじを履いて、これからも精一杯頑張っていきたいです。そして、もっともっと強くなり、もっともっと美味しいお米を作ることで、この地域の希望や、誰かに喜びや幸せを感じてもらえるような存在にいつかなりたいです。いや、絶対になります。

これからも、私たちFC越後妻有とまつだい棚田バンクの応援よろしくお願いします。

 

FC越後妻有 渡邊彩海

Information

FC越後妻有とは

女子サッカー選手が棚田の担い手として移住・就農し、プレーする農業実業団チーム。大地の芸術祭から派生した本プロジェクトは、プロとしてサッカーをしながら、里山で暮らすライフスタイルの提案であり、過疎高齢化で担い手不足の棚田を「まつだい棚田バンク」を通して維持する、日本全国見渡しても類を見ない、先駆け的なプロジェクトです。 近い将来でのなでしこリーグ参入を目指します。
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