越後妻有里山現代美術館 MonETにて2023年より開催している連続企画展。会期毎にゲストキュレーターがアーティストを選定し、展覧会を開催します。
大地の芸術祭は、美術を契機に地域を活性化すべく活動を行ってきました。更なる地域に根ざした芸術祭にしていくため、地域と芸術の新しい可能性を探り、未来を担う作家と出会い、新たな協働を生み出していきます。越後妻有里山現代美術館 MonETでは、ゲストキュレーターが広く今後の美術をひらいていくアーティストを選び、2か月ごとに個展を行います。2023年から長期にわたる連続企画展シリーズとして開催しています。
北川フラム(大地の芸術祭総合ディレクター)
【ゲストキュレーター】塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員)
【会期】2026年9月12日(土)~11月23日(月祝)※祝日を除く火水定休 ※9/24(木)は休館
【料金】一般1,200円/小中600円
※料金には、越後妻有里山現代美術館 MonET常設展示と企画展示鑑賞料含む。
※共通チケット対象期間は、共通チケットで入館可
メインビジュアル 《Post》 2026 Photo: Kei Miyajima
臼井良平は、ガラスや写真、既製品といった多様な素材を用いて、日常生活のなかでふと引っ掛かりを覚えた言葉以前の感覚に形を与えてきました。
たとえば、道端のポストの上に置かれたままのペットボトル。具体的な場所や時間は思い出せなくても、そのような光景をどこかで見かけたことがあるという人は少なくないでしょう。誰が、いつ、なぜそこに置いたのかはわからないけれど、何かが起きた後の微かな気配が漂っている──臼井はそうした、現代人が視界の端に捉えつつも、気にも留めない風景にこそ目を凝らします。
そんな作家の姿勢を象徴するのが、ガラスによって精緻に形作られた「PET(Portrait of Encountered Things)」シリーズです。ペットボトルや水の入ったビニール袋の実物から型を取り、高温で焼成し、表面を磨き上げて完成するガラス彫刻。それらは空間に置かれたとき、特定の場所ではなく、どこかで見たようでありながら、実際にはどこにも存在しない匿名の風景を立ち上げます。本来の文脈から分離されたオブジェクトは、ガラスという可塑的で脆く、透明な素材に置き換えられて来歴が漂白されることで、人々の記憶の奥底に眠る「いつかの景色」を呼び起こすのです。
本展「things that remind us we exist(在ることを知らせるものたち)」は、十日町の街並みに着想を得た作品を含む新作のみで構成されます。これまで見過ごしてきた風景やものの存在にあらためて目を向けることで、私たち自身もまた「ここに在る」のだという感覚に、想いを巡らせていただければ幸いです。
行った先々で目が留まる、足を止める。
人為的にまたは無作為に、そこにあるものから予期しないリアリティが立ち上がる。
そこにあるものをじっと見て、何に惹かれるのか少し考えてみたりする。
何だろうこの感じは。同行者が声をかける、
また歩き出してその感覚はもとの場所へ留め置かれる。
臼井良平
《Isle》 2024 Photo: Kei Miyajima
展覧会の開幕初日に作家によるアーティストトークを開催します。制作テーマや技法について、作家が自らお話します。
【日時】9/12(土) 14:00~
【場所】越後妻有里山現代美術館 MonET 企画展示室
【参加費】無料(別途入館料が必要)
臼井良平(うすい・りょうへい)
1983年静岡県生まれ、東京都在住。2012年から、ガラスを用いた連作「PET」の制作を開始。ガラス彫刻は、現実のノイズを取り除いた「ありそうでない風景」を立ち上げ、見る者の認識をずらす装置としても機能する。近年の主な個展に「路上の静物」(無人島プロダクション、2022)、主なグループ展に「Sculpture Milwaukee」(アメリカ・ミルウォーキー市街、2026)、「MOTアニュアル こうふくのしま」(東京都現代美術館、2024)、「驚異の細密表現展 ―江戸・明治の工芸から現代アートまで―」(横須賀美術館、2024)などがある。
塚本麻莉(つかもと・まり)
高知県立美術館主任学芸員。1989年大阪府生まれ。2014年東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻修了。2016年より現職。
保存修復の知識を背景に、「残すべきものは何か」を問いつつ、会場ごとの地域性や特性をいかしたキュレーションを行う。高知県立美術館では、2020年に高知ゆかりの作家を紹介する個展シリーズ「ARTIST FOCUS」を立ち上げたほか、2022年に同県出身の美術家・合田佐和子の回顧展を企画。美術館外の企画にも積極的に取り組み、若手・中堅作家の自主企画展を多数手がける。
Photo by Kazuhito Tanaka
Vol.1 2023年7月1日(土)~8月27日(日)
「マテリアルショップカタルシスの岸辺 十日町店 &『死蔵データグランプリ2022-2023』記録展」
作家:カタルシスの岸辺
ゲストキュレーター:椹木野衣(美術評論家)
Vol.2 2023年9月9日(土)~11月5日(日)
「版画報、道が動く」
作家:松元悠
ゲストキュレーター:保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長) )
Vol.3 2023年11月18日(土)~12月24日(日)
「続・並行小舟唄 翠のうつわ」
作家:竹﨑和征+西村有
ゲストキュレーター:塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員)
Vol.4 2024年1月13日(土)~3月10日(日)
「リバース ストリング」
作家:田中藍衣
ゲストキュレーター:檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)
Vol.5 2024年4月13日(土)~6月9日(日)
「腰が重い」
作家:出津京子
ゲストキュレーター:保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長) )
Vol.6 2024年11月23日(土)~2025年1月13日(月祝)
「ここには危険がいっぱい」
作家:光岡幸一
ゲストキュレーター:檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)
Vol.7 2025年1月25日(土)~2025年6月22日(日)【展示期間延長】
「無色の人」
作家:三宅感
ゲストキュレーター:椹木野衣(美術評論家)
Vol.8 2025年9月27日(土)~2025年11月30日(日)
「あなたたちとのむ、かごの中」
作家:大野綾子
ゲストキュレーター:塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員)
Vol.9 2026年1月24日(土)~3月22日(日)
「THE NEVER ENDING BUILDING」
作家:倉知朋之介
ゲストキュレーター:保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長) )
Vol.10 2026年4月中旬~6月中旬
「宮坂了作 ART 75歳」
作家:宮坂了作
ゲストキュレーター:椹木野衣(美術評論家)
Vol.11 2026年6月27日(土)~8月31日(月)
「カンサ―クイーン」
作家: 肥後亮祐
ゲストキュレーター:檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)
Vol.12 2026年9月12日(土)~11月23日(月祝)
作家:臼井良平「Things that remind us we exist.」
ゲストキュレーター:塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員)
| 日時 |
2026年9月12日(土)~11月23日(月祝) ※祝日を除く火水定休 ※9/24(木)は休館 10:00-17:00(最終入館16:30) |
|---|---|
| 場所 |
越後妻有里山現代美術館 MonET |
| 料金 |
一般1,200円/小中600円
※共通チケット対象期間は、共通チケットで入館可 ※料金には、越後妻有里山現代美術館 MonET常設展示と企画展示鑑賞料含む。 |